将棋を学ぶ:はじめての将棋教室 2019年7月28日
あきこ先生 “はじめての将棋教室” ステップ3-8将棋の引き分け
将棋に引き分けなんてあったの?という感じなのですが、将棋に引き分けはあります。年間3000局以上あるプロの公式戦のうち、引き分けになるのは100局もありません。チェスと比較して引き分けが少ないのが日本の将棋の特徴ですが、どんな時に引き分けになるのか、知っておきましょう。そして引き分けのつもりが、「負け」、ということもありますので、引き分けと禁じ手なども知っておきましょう。
それでは、今回のステップでは、将棋の2つの引き分けについてお話ししたいと思います。
千日手
下図のように同じ手順が繰り返されることを千日手と言います。このままだと、延々と飛車と金の追いかけっこが続き千日たっても終わらない・・・・・ということで、「千日手」となりました。
教室では、「まてまて〜」「やだよ」と会話を入れながら大盤で解説をすると盛り上がります。1日たっても終わらない、千日たったら終わるかな?「おわらない〜」と生徒たちは声を揃えて答えくれます。
千日とは、千日の意味もありますが、多くの日数という意味もあるようですね。
さて、いつまでたっても終わらない千日手、一体どのように終わらせるの?と思われるのではないでしょうか?
千日手は同じ局面が4回現れた時点で成立し「引き分け」となります。そして、引き分けとなった後、もう1局指し直しをするのですが、指し直しの際は最初の対局で先手だった人は後手に、後手だった人は次は先手になります。
また、余談になりますが、将棋では「先手のほうが、戦法を選ぶ際に主導権を握れる。」と言われることもあり、プロの対局では後手番のときに、千日手を狙って、指し直し局で先手を取る、という高等戦術があります。
連続王手の千日手は禁じ手
千日手の中でも、下図のように王様と追いかけっこになる連続王手の千日手には要注意です。
いつつのイベントでもおなじみの王様おにごっこでも、お子さんが飛車で王手をかけては、お母さんの持つ王様が逃げて、またお子さんが飛車で王手をかけてというシーンをよく見かけますが、連続王手の千日手は、4回同じ局面が出現した時点で、「引き分け」ではなく「禁じ手」が成立して負けになったしまいます。
ちなみに、王手をかけた方が負けになります。※手を変えて王手をかけるのは問題ありません。
持将棋
両方の玉が相手陣地に入り、詰ます見込みがなくなった時点で、対局者の合意により対局をストップすることができます。このことを、将棋では持将棋というのですが、ストップした時点での駒数(盤上の駒と駒台の駒)を計算して同点の場合は引き分けとなります。
ちなみに、「駒の計算の方法は大駒1枚を5点、小駒1枚を1点として数え、両対局者の点数が各々24点以上なくてはならない。24点に満たない対局者は負けとなる。(日本将棋連盟 対局規定(抄録)より )」というルールがあります。ただし、この計算を最初の時点で覚えないといけないのは大変なので、こういうのがあるんだな、くらいで大丈夫です。
さて、本日は将棋の引き分けについてお話しましたがいかがでしたでしょうか。今回学習した将棋の引き分けについては、「はじめての将棋手引帖2巻」で練習することができます。
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前回のステップ
まとめ
ちなみに自分の玉が相手の陣地に入ることを将棋用語で「入玉」といいます。
玉は上に逃げるほどつかまりにくいというお話をしたことがあるのですが、入玉は相手の陣地まで上げっていくことなので、つかまりにくい傾向があります。ラグビーのトライではないですが、終盤、駒が入り乱れて持ち駒が多くなってきたら、入玉を意識すると良いですね。
逆に、相手玉が自分の陣地を目指して進んできたら、待ち伏せの駒を置いたりして早めに措置をとるのが良策です。
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