「どうしたら将棋が上達しますか?」という質問をよく受けます。この質問に対する答えを端的に申し上げますと、「毎日将棋の練習をする」ということになるのですが、その練習があまりにハードだと、毎日継続して行うのはちょっと難しいですよね(>_<)
そこで、今回のいつつブログでは、将棋初心者のお子さんでも毎日継続してできるような、無理のない、そして楽しい将棋上達法についてお話したいと思います٩( ‘ω’ )و
1. 駒の価値を意識しながら駒をしまう
将棋の基本的なルールや駒の動かし方を覚えたその後に、将棋初心者の子どもたちに、ぜひとも身に付けてもらいたいのが、はじめての将棋手引帖2巻で学習する「駒の価値」や駒の交換の概念です。
将棋の駒には、種類ごとに価値があり、玉は取られてしまうと負けなので別格!として、次に価値が高い駒は飛→角→金→銀→桂→香→歩という順になります。将棋が強い方からは、「局面によって駒の価値は異なるよ。」という指摘を受けるかもしれません。確かにあと「金」があれば勝ち!という局面では、自分の飛と交換してもOKです。ただ初心者にとっては、まずはこの順番を覚えることが大事です。
もし、この駒の価値の概念がちゃんと身に付いていないと、将棋初心者の子どもたちは、駒の交換のときに駒損をしたのか駒得をしたのかを理解できなくなってしまいます。子どもたちには、「大きい駒の順番に強い駒だよ」と伝えるとわかりやすいかもしれません。目で見て駒の大きさが違うので理解しやすいのと、「価値」という言葉が、難しいので、「強い」とか「大事」とかで言い換えるとわかりやすいと思います。
さて、駒の価値を身につける方法は色々あるのですが、将棋初心者の子どもたちでも自然に実践できるということに焦点を意識すると、駒を片付けるタイミングで一緒に駒の価値も覚えるのがおすすめです。
将棋初心者でも将棋上級者でも、そして大人でも子どもでも、ちゃんと駒の数を数えてしまうという習慣をつけるのは、駒のなくさないという観点からも大切なのですが、特に将棋初心者のお子さんの場合は、駒箱や駒袋にしまう前に、写真のように、きっちり駒を種類ごとに分けて、なおかつ駒の価値の高い順番に並べてからしまうという習慣を身に付けるといいと思います。
大人からすると少々面倒に感じられるかもしれませんが、案外子どもたちは駒を並べるという作業が大好きです。いつつの将棋教室でも、いつも子どもたちがたくさんある将棋駒を一生懸命分類してからしまってくれています( ´∀`)
2. 青空将棋で駒の交換を身に付ける
いつつのブログでも度々お伝えしていることなのですが、将棋初心者の子どもたちは「駒の交換」があまり得意ではありません。「駒の交換」のところで躓く理由として、1でお話しした駒の価値を理解していないということもあるのですが、それ以上に、自分の駒を取られたくないという思いが、妨げとなっているようです。そこで、「駒の交換」のテクニックを身に付けるための上達法として、将棋初心者の子どもたちにおすすめしているのが青空将棋です。
青空将棋とは、本将棋のうち歩の駒を全て取っ払って行う対局のことです。歩がなくなったことで、動きの大きな飛や角が最前線となり、開戦直後から駒の交換を仕掛けることが可能になります。
本将棋と比べて、否応でも駒の交換をしないといけない場面が増えるので、青空将棋の数をこなしているうちに、「駒の交換」恐怖症が改善されてくるはずです٩( ‘ω’ )و
また、初心者の子どもたちどうしで本将棋を行うと、一局指し終わるまでに時間がかかってしまうことも多々あるのですが、青空将棋だと将棋の展開が早く、比較的勝敗もすぐにつくので、初心者の子どもたちでも、飽きずに将棋を指すことができます。
将棋の駒の価値を身に付け、恐れず駒の交換ができるようになれば、将棋初心者から1つ上達ですね( ´∀`)
3. 定番の1手詰めを繰り返し解く
毎日できる将棋上達法の定番といえば「詰将棋」があげられると思うのですが、将棋をはじめたばかりの初心者のお子さんには、詰将棋の中でも1番易しい1手詰め、それも「頭金」「腹金」「尻金」などオーソドックスな詰みの形、また実戦で現れそうな形がおすすめです。
そして、ここがポイントなのですが、詰将棋の問題は「1度解いたらそれでおしまい」ではなく、同じ問題を何度も何度も繰り返し解くことが大切です。ちなみに、どれくらい繰り返せばいいのかというと、問題を見た瞬間答えが分かるようになるくらいです!
なので、いつつの将棋教室では、「1手詰めのテキストが終わったので、次は3手詰め」とはせず、同じ1手詰めのテキストを、毎回時間を測りながら繰り返し使うようにしています。
時間を測って記録することで、その時間集中して解くことができるので集中力もつきますし、実戦でも、1手詰めの局面を見逃すことが少なくなります( ^∀^)
ちなみに、同じ問題を繰り返し解くという点ではいつつの「カードde詰将棋」もおすすめです。フラッシュカードのようにお使い頂くことで、同じ問題でもダンラム出題ができるので、定着度がより高まります。
4. 棋譜並べは読み上げで
将棋の基本的なルールや駒の動かし方を覚えたばかりの初心者の子どもたちの次の達成目標の1つとして、「符号に慣れる」ということが挙げられます。符号とは、駒の住所のようなもので、盤上のどの位置に誰のどの駒がいるのか示すものなのですが、符号に慣れることで、詰将棋、実戦と並んで、将棋勉強法の1つに数えられる「棋譜並べ」ができるようになったり、将棋の書籍が読めるようになったりなど、将棋上達への道がぐんと拓かれます。
さて、それでは、符号に慣れるためにはどうするのがいいのかというと、やっぱり棋譜並べが1番です。ただ、通常棋譜並べは棋譜(対局の記録)を見ながら、一人で黙々と駒を動かすものなのですが、☗7六歩☖3四歩☗2六歩☖8四歩☗2五歩☖8五歩☗7八金☖3二金☗2四歩☖同歩☗同飛・・・・・・・・と符号がつらつらと並ぶ字面を見ただけで、将棋初心者の子どもたちは圧倒されてしまいますよね(^^;
さすがにこれを毎日続けるのは辛いかもしれません、笑
そこで、少しだけお手間なのですが、お母さん(もしくはお父さん)、ちょっとだけお手伝いをお願いしますm(__)m
字で見るとなんだか難しそうですが、「先手7六歩、後手3四歩・・・」と声に出してみるとなんだかリズミカルで、ちょっと楽しい気分になってきませんか?
子どもたちが棋譜並べをするときは、棋譜をそのまま見せるのではなく、ぜひ隣で棋譜を読み上げてあげてください。
途中で読むのが早くなって「もぅっ!お母さんちょっと待って」となったり、全部棋譜が読み終わった後に、ちゃんと並べられているのか、盤面の答え合わせしてみるのも楽しいと思います٩( ‘ω’ )و
ちなみに、棋譜は、NHKの将棋講座テキストや将棋世界、新聞の将棋欄などで入手することができますが、最初のうちは、100手以内の短い棋譜を選ぶといいと思います(^ ^)
5. 1日1対局
将棋で強くなるには、とにかく実戦をたくさん指すことが大切です。
お友達やご家族と対局をしてみてください。ただ、1日のうちに何局も対局を指しすぎると、ちょっと雑になってきたりします。また親御さんも相手にするのは大変ですよね。また、宿題や明日に準備など、子どもといえどもやらなくてはならないことはたくさんあるので、将棋ばかりしているわけにはいきません。そこで
そこで、「1日1局。集中して指す。」というルールも良いと思います。
これだと、そんなに負担にはならないですよね。
ただ、「一緒に指す相手がいない」というお悩みもあるかもしれません。
その場合は、将棋アプリもおすすめします。もしかすると抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、将棋アプリには、相手の棋力を細かく設定できたり、対局の棋譜が残せたりと、アプリにしかないメリットもあります。
さて、本日は将棋初心者向けの、将棋上達法についてお話ししましたがいかがでしたでしょうか?
もちろん、上を目指せば目指すほどストイックな上達法も必要になりますが、入り口の段階では、「継続してやること」「楽しみながらやること」の2つがとても大事です。いつつでは、将棋教室でも商品開発でも、必ずこの2つの視点を忘れないようにしています。
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