将棋を学ぶ 2022年6月15日
将棋入門者が最初に覚えやすい戦法3つ
棒銀・カニカニ銀・雀刺しで攻めてみよう!
はじめに
将棋のルールを覚えて対局ができるようになったら、次のステップとして戦法を覚えることがあげられます。戦法は攻めや守りの形、その手順のことをいいます。
戦法を覚えることで、効率的に駒を動かして攻めたり、相手から玉を守ったりすることができます。
序盤で駒をどう動かしたらよいか分からない、攻めても簡単に受け止められてしまう、といった方は戦法を覚えてみると良いかもしれません。
戦法の選び方
戦法はたくさんあります。最初は、狙いが分かりやすくて手数が短いものがおすすめです。
覚えやすい戦法を紹介しますので、興味を持ったものがあればぜひ試してみてください。
戦法の覚え方
見ているだけで覚えるのは大変です。盤と駒を用意して、実際に動かしてみましょう。繰り返し動かして、何も見ずに形を作れるようになることが目標です。
練習するときは、自分の指し手だけで良いです。形を覚えることが大切です。
手順は少しくらい違っても大丈夫です。形を作れるようになったら、実戦で指してみましょう。
覚えやすい戦法
①棒銀(ぼうぎん)
飛車の前にまっすぐ棒のように銀が進むことから、この名前がつきました。飛車先の歩を突いた後は、銀を進めるだけ。単純ですが、破壊力があります。
棒銀の手順
※相手の指し手は一部を除き省略します。
駒を初形(一番最初の形)に並べます。
①☗2六歩・飛車の前の歩を突きます。
②☗2五歩・もう一つ進めます。
③☖3二金・相手は角頭を守るため金を上がります。(銀の場合もあります)
飛車先の歩を突くことで、角の頭を狙います。相手が金や銀で守らなければ☗2四歩とぶつけて、棒銀をしなくても攻めることができます。
相手が☖3二金(銀)と上がって角の頭を守ってきたら銀の出番です。(☗2四歩と先に歩の交換をしても良いです)
④☗3八銀・飛車の横に銀を上がります。
⑤☗2七銀・飛車の前に銀を進めます。
⑥☗2六銀・そのまま真っ直ぐ進めます。
⑦☗3五銀・歩の横に銀が出ます。これで準備ができました。
攻めてみましょう。
⑧☗2四歩・歩からぶつけます。
⑨☖同歩・相手が歩を取ります。
⑩☗同銀・相手の歩を取ります。
⑪☖2三歩・角の頭に歩を打ちます。
⑫☗同銀成・歩を取って銀を成ります。
⑬☖同金・相手が銀を取ります。
⑭☗同飛成・金を取って飛車を成ります。攻め成功です。
実戦では相手から自分の角の頭を狙われることがあるので、金を上がるか角道を開けて☗7七角や☗7七銀で受けましょう。
②カニカニ銀
2枚の銀がカニのハサミのような形に進みます。とにかく攻めることができるので、攻めが好きな人には楽しい戦法です。この戦法で児玉八段は升田幸三賞(新手や妙手、定跡の進歩に貢献したものに送られる賞)を受賞しました。
手数は長めですが、狙いが分かりやすく玉の囲いもいりません。(どこに動いてもあまり安全にならないためです)
カニカニ銀の手順
※相手の指し手は一部を除き省略します。
初形から
①☗7六歩
②☗6八銀・相手が角道を開けてきたら、ここで銀は動かさないでください。(角が取られてしまいます)
(☖3四歩)
③☗7七銀
④☗5六歩
(☖5四歩)
⑤☗4八銀
(☖4二銀)
⑥☗2六歩
⑦☗2五歩・この歩を突くことで2筋の攻めを見せて、相手に角の頭を守らせることができます。
(☖3三銀)
⑧☗5七銀
⑨☗4六銀
⑩☗9六歩
⑪☗9七角
⑫☗5八飛
⑬☗6六銀
⑭☗7七桂・完成です。後は☗5五歩と仕掛けていきましょう。
後手が矢倉に組んだ場合の仕掛けを見ていきます。
☗5五歩
☖同歩
☗6五桂
☖6四銀
☗5五銀右
☖同銀
☗同銀
駒を交換したら後は銀を進めていくだけです。☖5四歩は☗同銀、☖5三歩は☗同桂成(☗5四歩もあり)で攻めが止まりません。
③雀刺し(すずめざし)
端を狙って、駒を集中させるだけです。手数は長めですが、狙いの分かりやすい戦法です。
角で斜めから端を狙う形が雀を捕らえるときの構え方に似ていることから、この名前がついたと言われています。(諸説あり)
駒落ちの対局や居飛車の相手に使うと効果的です。
雀刺しの手順
※相手の指し手は省略します。
①☗1六歩
②☗1五歩
③☗7八銀
④☗7九角
⑤☗5六歩
⑥☗3六歩
⑦☗1七香
⑧☗1八飛
⑨☗3七桂
⑩☗2五桂・完成です。☗1四歩と突いて仕掛けましょう。
☗1四歩
☖同歩
☗同香
☖同香
☗同飛
☖1三歩
☗同桂成
☖同桂
☗同角成
☖同角
☗同飛成・竜ができて攻め成功です。
弱点
3つの戦法を紹介しましたが、狙いが分かりやすいということは覚えやすい反面、相手からはどこを攻めて来られるか分かりやすい、ということになります。
初心者同士の対局ならこういった戦法で敵陣を破り攻めることができますが、相手が強くなってくると正しく受けられたり反撃されたりしてうまくいかないことがでてきます。
うまくいかなくなってきたら、囲いや囲いとセットになった戦法に挑戦してみると良いと思います。初めから守りも攻めも覚えようとするのは大変です。覚えやすい戦法から初めて、攻める楽しさを味わってもらえたらと思います。
「はじめての将棋手引帖3巻」では、戦法の種類や特徴、居飛車・振り飛車戦法の序盤の進め方、戦法ごとの囲いを学べます。戦法を初めて学ぶ方やお子様でも取り組みやすいドリル形式です。
終わりに
上記以外にも戦法はたくさんあります。一番良いのは興味を持つことです。難しそうに見えても自分が面白そうと思ったら、ぜひ挑戦してみてください。
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