株式会社いつつ

将棋を楽しむ 2017年2月17日

将棋といろんなボードゲームを比べてみた〜ガイスター編〜

金本 奈絵

将棋は日本を代表するボードゲームです。

そこで、いつつのスタッフが様々なボードゲームをしながら、将棋とそのボードゲームを比較することで、改めて将棋の面白さ、奥深さに気づいてもらおうと、「将棋と○○を比べてみた」シリーズを始めることとなりました。(あくまで素人が思うところなので、至らない部分があればご了承くださいm(_ _)m)

さて、記念すべき第1回は「将棋とガイスターを比べてみた」です。

将棋によく似たゲームガイスター
将棋によく似たゲームガイスター

ガイスターとは二人の対戦者がお互いの良いオバケ(青)と悪いオバケ(赤)の駒を取ったり取られたり(ときにはわざと取らせたり)しながら、自分良いオバケを相手の陣地へ到達させるゲームです。ルールがそれほど複雑ではなく、長時間を要しないので、小さいお子さんでも十分楽しめると思います( ´ ▽ ` )ノ

1.基本データ

ゲーム名
ガイスター
プレイ人数
2人
対象年齢
8歳以上(8歳以上となっていますが、ルールさえ理解できれば、もう少し小さくても大丈夫かと思います)
所要時間
10〜20分

ルール

  1. それぞれのプレーヤーに赤のオバケ駒と、青のオバケ駒を各々4個ずつ配ります。
  2. プレーヤーは受け取った8個のオバケ駒を、相手に見えないように、自分の陣地手前2列(但し各列左右両端のマスは除く)に任意に配置します。この時、赤いオバケは(悪いオバケ)、青いオバケは(良いオバケ)となります。
  3. 2人のプレーヤーはオバケ駒を交互に動かします。(良いオバケも悪いオバケも動ける範囲は駒の上下左右のマス)
  4. 自分の良いオバケを相手の陣地から逃がす、相手の良いオバケを4つとも取る、または、自分の悪いオバケを4つともとらせれば勝ちになります。
オバケの駒を交互に動かしながら、取ったり取られたり(時には取らせたり)するゲームです。
オバケの駒を交互に動かしながら、取ったり取られたり(時には取らせたり)するゲームです。

2.将棋との共通点

  • 交互に指す
  • 駒を取る・取られる
  • 局面がある etc

ルールが似ていると戦法も似てくる

数あるボードゲームの中でもガイスターはかなり将棋に似たルールだと思います。そして、ルールが似ているということもあり、取る戦略もまた将棋に似ていると思います。

例えば、将棋とガイスターの共通点として、序盤・中盤・終盤といった局面があることを挙げさせていただきました。ガイスターにおける序盤は、駒を配置するところから駒がぶつかり合い出した段階ですが、駒の初期配置を自分の好きなようにできるという点では、将棋とは少し違うような気がするかもしれません。しかしながら、将棋で対局開始後に飛車を動かしたり、囲いをつくなどして自分にとって戦いやすい陣形を作るということを考えると、ガイスターは準備段階で戦いやすい陣形を作っているので、戦いに備えて駒組みをするという点では両者は共通であると言えます。

また、ガイスターでも将棋と同様に、開幕直後から良いオバケであれ悪いオバケであれ、駒を多く取られてしまうのは得策ではありません。そのため、将棋同様に数的不利になることを避けて、序盤からお互い自分のオバケに紐をつけあい、自分のオバケが取られたら取り返すということを繰り返します。恐らく序盤は、良いオバケよりも悪いオバケを前面に出すので、お互いに悪いオバケを取りあいながら、どこかのタイミングで端において数的有利を作ることを試みたり、あるいは良いオバケを繰り出してみる、ぶつかっても取らない、と中盤以降に展開していくように思います。

例えば、序盤から中盤にかけて、良いオバケを駆け引きで失ってしまったりすると、やや不利になってしまいます。これは、攻めの銀や桂を出していったけれども、相手にうまく取られてしまったようなイメージかもしれません。また、最終的には、端攻めを絡めながら悪いオバケを取らざるを得ない状態に追い込む、あるいは駆け引きを制して良いで突破する、状態を狙っていきます。

以上のようなことを考えると駒組・紐をつける・数の攻め・端攻め・突き捨てなどなど、ガイスターでは将棋のような考え方・戦い方が重要になってくると言えるのではないでしょうか。

将棋とは異なる点

  • 「不完全情報ゲーム」と「不完全情報ゲーム」
  • 持ち駒の再利用はなし etc

「読み」に関する違い

将棋でもガイスターでも、「相手の思考を読む」ことは非常に重要ですが、両者の読みの思考は少し異なるかもしれません。なぜなら、将棋が相手に出方が全て公開された「完全情報ゲーム」であるのに対して、ガイスターでは、一見して良いオバケなのか悪いオバケなのかわからないという「不完全情報ゲーム」だからです。

ガイスターでは、将棋とは異なり、あえて自分の駒を取らせに行くという戦法が成り立ちます。例えば、相手に複数の悪いオバケを取らせてから、相手に駆け引きを強いる戦法も成立しますよね。通常、相手が、捨てるような使い方をするオバケがあるとしましょう。そのような使い方をするということは、一般的に考えれば、悪いオバケでしょう。しかしそれはあくまで自分の推測に過ぎないものです。裏をかいて良いオバケなのか、それとも裏の裏なのか…ということについて考える必要があります。

本来なら、悪いオバケといえども、相手よりも駒が少なくなることは、ガイスターにおいても不利です。しかし、最初から悪いオバケを2つほど渡してしまうと、相手も「これ以上、悪いオバケを取りたくない」という心理が働きますよね。

さらに、3つ渡してしまえば、どれだけ怪しそうなオバケがひとつだけで突入してきても、相手はそれを取ることはできません。その中で、自分の良いオバケを護衛したり、相手の良いオバケをどんどんと取り進んでいく、といったことができます。

さて、今回は「ガイスター」について掘り下げてみましたがいかがでしたでしょうか?将棋的な要素もたくさん散りばめられたゲームであるため、将棋ファンにとってとても親しみやすく楽しめる内容だと思います。

まだお子さんが将棋をはじめていないなら、まずはとっつきやすいガイスターから入って将棋を始めるもよし、既に将棋を指すなら、将棋の気分転換にガイスターをするもよしだと思います。様々なボードゲームを通じて、将棋をより楽しめるようになってもらえればと思います(^ ^)

他にもいつつブログでは、様々なボードゲーム・アナログゲームを紹介した記事がございます(^ ^)

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この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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