「ゴキゲン中飛車」などに代表されるように、将棋界には、将棋をあまり知らない人が聞くと「えっ、それどうゆぅこと(°_°)?」となるような面白い言葉がいっぱいあります。
そこで今回のいつつブログでは、意味はよく分からないけれど、人生で1度は使ってみたくなるような将棋のおもしろい言葉たちをいくつか紹介したいと思います。(少し大ゲサですかね(^_^;)、笑)
もちろん、使いどころを間違えると少し恥ずかしい感じになるので、それぞれの解説および使用事例つきです
( ´ ▽ ` )ノ
1.穴熊の姿焼き
初っぱなからインパクトの強いものが来ましたね!なんだか、くまさんがかわいそうな気がします(>_<)
さて、将棋に馴染みのある人はすでにご存知かもしれませんか、「穴熊」とは、囲いの1つです(囲いとは、対局の序盤に作る玉を守るためのお家のようなものです)
。玉が将棋盤の隅っこに引きこもり、そのまわりをがっちり金銀桂香の駒が守る様が、まるで穴にもぐった熊のようだったことから、「穴熊」という名前がついたとされています。
それでは、この穴熊が「姿焼き」になるとはどのような状態を指すのでしょうか?
穴熊の特徴として、はじめての将棋手引帖3巻でも解説しているように「囲いを作り上げるまでに、けっこう手数がかかる」というのがあげられます。そのため、せっせと穴を掘っている間に、囲いとは将棋盤の逆サイドにある、敵陣を攻めるための駒たちが次々と相手に取られてしまい、気づいた時には、自分の駒は囲いを構成しているものだけになっていた、という状態を「姿焼き」と表現します。
こうなってしまうと、もう自分は相手の攻撃をただ受けるしかありません。せっかく作った穴ですが、そのうち突破され、大切な玉が詰まれるのも時間の問題です。
最初に、受けた印象の通り、なんとも悲しい「穴熊の姿焼き」でしたね(^_^;)将棋で穴熊を作る時は姿焼きになってしまわないよう、せいぜい気をつけましょう
ちなみに、囲いには「穴熊」以外にも、ユニークなネーミングのものがいっぱいあります(^ ^)
✳︎穴熊の姿焼きの使用例✳︎
「攻めが途切れてしまったので、穴熊の姿焼きになってしまいましたね。」
「これは穴熊の姿焼きだからもうダメだ」etc
2.銀冠の小部屋
なんだか、宝物がいっぱい保管されていそうなお部屋ですが、実はそうではありません(^_^;)それでは、「銀冠の小部屋」について説明していきます。
「銀冠」も「穴熊」同様「囲い」の一つです。玉の頭に銀が載っかっていることからその名前つきました。さて、銀冠の場合、通常玉の位置は8八が最も安全とされています。しかし、相手に横から自陣を攻め込まれ、写真1のような状況になってしまった場合、玉がこのままでは取られてしまいます。
そこで、この局面では玉を逃げなければいけません。逃げ場としては、9七へ移動するのが最も安全な場所です。
そしてこの9七のマス目こそが「銀冠の小部屋」なのです(写真2)。
1番で囲いは玉のお家のようなもの、と説明しましたが、玉のいる居間が危険になったので、屋根裏へ避難したというイメージですね(^ ^)
✳︎銀冠の小部屋の使用例✳︎
「銀冠の小部屋に逃げ込んで、まだまだ頑張れる」
「銀冠の小部屋を使って受けてみよう」etc
3.目から火の出る王手飛車
またまた物騒な表現が登場しました。目から火が出るなんてとっても痛そうなんですが、「目から火の出る王手飛車」とは、まさに自分にとって痛い状態を示します。
「王手飛車」とは王手飛車取りの略。つまり、相手に自分の玉と飛車に両取りをかけられた状態を示します。通常、相手に王手もかけられても特に怯える必要はないのですが、この王手飛車をかけられた王手だけは、目から火が出るほどの絶対絶命の大ピンチということです。
当たり前の話ですが、8種類ある将棋の駒のうち、最も大切なのが玉です。そして縦横無尽に動くことができる攻めの主役、飛車はその次に価値の高い駒でしたね。
「王手飛車」をかけられると、自分が取るべき行動として、玉を逃すの一択ですが、そうなると必然的に大事な大事な飛車を相手に取られてしまうわけです。
✳︎目から火の出る王手飛車の使用例✳︎
「これは目から火の出る王手飛車がありますよ」
「目から火の出る王手飛車が実現しました」etc
4.三桂あって詰まぬことなし
これは将棋の格言の一つです。1局の終盤戦に桂馬を3枚持っていれば、必ず相手の玉を詰ますことができるといった意味です。
確かに桂馬は8枚ある駒の中でも、唯一他の駒を飛び越えることができる駒です。そんな特殊能力を持った駒が手元に3枚あると、心強いことこの上ないですよね。
しかしながら、本当に桂馬3枚あれば詰まぬ玉がないのか?というと、どうやらそうでもないようです(>_<)
棋力の高い人からすると、終盤に桂馬がいっぱいあってもほとんど役には立たず、「三桂あって詰まぬことなし」どころか、「三桂あって使うことなし」と言っている人もいるとかいないとか。。。
✳︎三桂あって詰まぬことなしの使用例✳︎
「持駒に桂馬が3枚ある!三桂あって詰まぬことなしだ!」
「三桂あって詰まぬことなしとは言うものの、こちらの玉はまだ詰まないでしょう」etc
5.Z(ゼット)
「Z(ゼット)」と聞くと、その前に「ドラゴンボール」とか「マジンガー」とか付けたくなるのですが、とても強そうな響きですね(^ ^)
将棋の言葉でZとは、「ZETTAI(絶対)に詰まない」状態を指すようです。確かに写真のような局面であれば、どの駒がどのように攻めてきても詰むことのない無敵状態です。ちなみに、Z状態の時は、仮に相手の持ち駒が無限にあったとしても、例えば飛車を5000枚持っていたとしても、詰むことはありません。
将棋が強い人というのは、このZ状態を利用するのがとても上手だと言われています。自分の玉が無敵状態にあるうちに、どんどん相手の陣地に攻め込むわけですね。
ちなみに、角と銀さえ渡さなければZの状態を「ななめZ」(写真3)(角と銀以外の駒は斜め下に動けないので)、飛と金さえ渡さなければZの状態を「横Z」(飛と金以外の駒は横には動けないので)といいます。
✳︎Z(ゼット)の使用例✳︎
「ここは自玉がZだから攻めるべき局面だ」
「横Zだから銀や角は渡せるぞ」etc
さて、本日は将棋のおもしろい言葉をいくつか紹介してみましたがいかがでしたか?他にも、「初王手目の薬」など、将棋界にはまだまだおもしろい言葉の世界があるようです。
また、いつつの将棋グッズの中には、将棋の言葉をモチーフにしたものがいくつかあるのですが、このようなおもしろい将棋の言葉に親しむことで、子どもたちの将棋の学習にも繋がります。
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