株式会社いつつ

将棋を楽しむ 2017年11月2日

特別インタビュー〜棋士のまち加古川が生んだ将棋姉妹〜

金本 奈絵

これまでに多くのプロ棋士を輩出した兵庫県加古川市。そんな棋士のまちが生んだ将棋姉妹がいつつ将棋教室神戸元町校に見学に来てくれました。

姉の松尾千優(ちひろ)さんは、現在名門立命館大学将棋部に所属する2回生。今年は、西日本大会女流戦で優勝するなど大活躍しました。また、妹の美樹(みつき)さんも、昨年の全国高校選手権女子個人の部で優勝するという実績を持ちます。

二人で熱心に詰将棋を解く様子
二人で熱心に詰将棋を解く様子

決まった答えがないからこそ将棋が楽しい

「将棋をはじめたきっかけはなんですか?」

美樹さん:「もともと祖父が将棋好きで、まずは兄が祖父と一緒に指すようになりました。そして、そんな兄と祖父の姿を見て、私が少し興味を示すと、母が兄妹でバラバラなことをされると面倒だから、どうせなら一緒にやりなさいと将棋を始めることに。それになぜか姉も巻き込まれたという感じです、笑 」

千優さん:「その通り、笑 なので、兄妹の中では私が一番最後に将棋を始めました。」

「半ば強制的に(笑)将棋を始めたとのことですが、こうして二人で熱心に詰将棋を解く姿を見ると、お二人とも将棋が大好きなんだなぁと思います。」

答えがないからこそ将棋が楽しいという美樹さん。
答えがないからこそ将棋が楽しいという美樹さん。

美樹さん:「将棋をはじめた頃はただただ駒を触るのが楽しかったのですが、今は『決まった答えがない』というところに将棋の魅力を感じています。これまで、たくさんの対局をこなしてきましたが、1つとして同じ道すじをたどったことはありません。」

千優さん:「私も答えが1つではないというのが、将棋の魅力の一つだと思います。対局の中には新しい出会いや発見がたくさんあって、その度に『こんな風にしてみてはどうだろう』と新しい手を考えてはわくわくします。」

「さすが姉妹!おもしろいと感じるポイントが一緒なんですね。二人で切磋琢磨してきたからこそ今の活躍があるかもしれませんね。」

美樹さん:「姉妹で将棋をしていると、いつも一緒に指しているのではないかと思われがちなのですが、うちに関していえばそうでもありません。」

千優さん:「姉妹で指すとけんかになっちゃうので、笑」

棋士のまち加古川で将棋をはじめて

「そうなんですね。では、日ごろはどのように将棋を指していますか?」

美樹さん:「私たち姉妹は、将棋をはじめた頃からプロ棋士の井上慶太九段が主宰する加古川将棋倶楽部に通っていました。加古川市は、多くのプロ棋士を輩出し、将棋のまちとしても有名です。そのため、将棋教室は他府県からも子どもたちが集まって、いつもにぎわっています。なので、お姉ちゃんと指さなくても一緒に将棋を指す相手はたくさんいます、笑」

千優さん:「祖父や兄が将棋を指すこと、加古川市が棋士のまちであり一緒に将棋を指すお友だちがたくさんいたこと、あと、井上先生をはじめとしたプロ棋士の方の将棋を間近に感じられること。私たちは、将棋を指す上で、とても恵まれた環境にいるんだと思います(^^)」

「いつつの将棋教室もそんなふうになればいいなと思います(^^)さて、本日は、いつつの将棋教室を見学していただきましたがいかがでしたか?」

千優さん:「加古川の将棋教室で子どもたちに将棋を教える機会があるのですが、そこに通う子どもたちは、形づくりができるなど、みんなある程度将棋の経験値を積んでいます。一方、いつつの将棋教室では、まだ将棋をはじめて数ヶ月というお子さんもたくさんいて、その子たちにどうアプローチすれば分かってもらえるのかというところに難しさを感じました。」

「いつつでは、はじめて将棋に触れるお子さんでも無理なく将棋に親しんでもらえることを大切にしています。例えば、駒の動きを説明するときは、金はきのこのカタチ!とものに例えたりします」

美樹さん:「私たちも桂馬の動きをさくらんぼに例えたりします。その時は、他の駒はあいまいだったのに、桂馬だけはばっちり覚えていたりしました、笑」

「さくらんぼってかわいいですね(^^)あと、お二人が、対局が終わった後に子どもたちが指した将棋を再現しているのがさすがだなぁと感じました。」

千優さん:「全ての指し手を覚えているわけではなく、ほかにもいい手があったなとか、こう指すともう少し短い手数で詰めれるとか、そういうポイントとなる局面を覚えるようにしています。」

「あと、子どもたちに教えるときに『この手は良かったね』と褒めてあげているシーンがとても印象的でした。」

美樹さん:「将棋をはじめたばかり、特に小さいお子さんだと、なかなか勝てないことへのもどかしさや負けることの悔しさを上手く消化するのが難しいような気がします。なので、最初のうちは、たとえ負けたとしても、良かったところを意識的に拾うようにしています。」

千優さん:「ただ、『負ける』という体験は子どもたちにとって重要だと思います。負けてただ悔しいで終わるのではなく、なぜ負けたのかをしっかり考えることができれば、次は必ず強くなっていると思います。」

友だちや家族、ヒトと繋がれる将棋

「お二人とも、そうやって色んなものを乗り越えて、今でも将棋を続けておられるんですね(^^)さて、最後の質問になりますが、将棋をやっていて良かったと思うことは何ですか?」

美樹さん:「全国大会に出るようになると、東京や北海道などからも人が集まります。同年代といっても、もし将棋をしていなかったら出会えなかったような友人がたくさんできたというのは将棋をしていて良かったところです。」

千優さん:「よく、将棋は礼に始まり礼に終わるといわれます。将棋教室や道場に通ってただ対局の勉強をするのではなく、これから社会に出ていくのに必要なことが身につきます。あと、家族で共通の話題があるというのもいいです」

家族でよく将棋の話をするという千優さん
家族でよく将棋の話をするという千優さん

美樹さん:「どんな大会があって、それに誰が出ていたとか、じゃあ私ももっと頑張らないととか、将棋に関する色んな情報やそれについての感想なんかをいつもわいわい話しています。」

「将棋は、年齢や性別を問わずに楽しめるものですからね(^^)将棋は家族でのコミュニケーションにぴったりなんだと思います」

さて、今月より、今回インタビューに協力してくれた松尾千優さんがいつつ将棋教室神戸元町校のお手伝いをしてくれるようになりました(^^)

新しい仲間が加わったいつつ将棋教室を、今後ともよろしくお願いいたします。

いつつ将棋教室では、体験会を実施しています。お気軽にご参加ください(^^)

お子さんに将棋をはじめてもらいたいと思ったら、子ども向けの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸の将棋屋さんいつつまで。

いつつ将棋教室でも使用している「はじめての将棋手引帖」は、1日15分のスモールステップで本当の初心者のお子さんからでも着実に実力をつけることができます。詳細はこちらから。

この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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