将棋を学ぶ 2018年9月11日
将棋教室の子どもたちの変化に見る、将棋を指すとこんなに集中力が身につく!
「なんだか集中力が身に付きそうだ」。将棋に対して、こんなイメージをお持ちの親ごさんはたくさんいらっしゃることかと思います。
しかしながら、子どもたちが将棋をすることで、どんなふうに集中力が身に付くのかということまではイマイチよく分からないですよね。そこで、今回のいつつブログでは、いつつ将棋教室に通う生徒さんたちが、将棋を始めたことで、どんな風に集中力がついたのかについてまとめてみたいと思います( ´∀`)
1.考えて指すようになる
駒の動かし方や将棋のルールを覚えたばかりのお子さんの対局は比較的早く終わります。それはなぜかというと、将棋初心者の子どもたちには、早指しをする子が多いからです。元々、学童のお友だちやおじいちゃんお父さんと将棋を指す習慣がある子は、大体は、子ども特有の「やりたいことを今すぐやりたい」というのに由来しているような気がします。目の前に取れる駒があればすぐ取る、今にも取られそうな危険な駒があれば即逃げる。子どもって本当に分かりやすいですよね、笑
直感で早指しでも最初のうちはOKですが、将棋教室に来てしばらく経つと、元々早指しだった子どもたちの対局時間がだんだんと長くなってきます。もちろん、お互い将棋入門者の場合だと、相手の詰ませ方が分からず異様に対局が長くなってしまうこともあるのですが、そうではなく対局が長くなるのは、直感ではなく一手一手考えながら指すようになったからです。教室で定跡やさまざまな駒を上手に使うテクニックなどを学ぶと、考える材料が増えていくので、選ぶ選択肢も多くなってきた、ということのようです。
将棋教室に通う前は、「えいっ!」「えいっ!」っとテンポ良く指していた子どもたちがいつのまにか「この駒をこう動かすと相手のあの駒を取れるけど、でもそのあと取り返されて・・・・・・」と何やらブツブツ話しながら指すようになります。恐らく、話しながら今の盤面の色んなパターンをシミュレーションしているのだと思います。そして、シミュレーションするという作業、どうも子どもたちはとても集中しながらやっているようなのです。
これは、ある日のいつつ将棋教室、のびのび将棋教室でのエピソードなのですが、未就学の男の子が中学生のお兄ちゃん相手に対局中のこと、突然ピタリと動きを止めたのです。呼びかけてみても、目の前で手をひらひらしてみても一切応答がないどころか、微動だにしません。返事はなかったのですが、目だけはしっかり将棋盤を捉えているので、そのまま見守ることにしました。待つこと5分、彼は何事もなかったみたいにようやく次の手を指しました。
後から本人にあの時どうして時間が止まってしまったのか聞いてみると、いつものように、「この駒をこう動かすと相手のあの駒を取れるけど、でもそのあと取り返されて・・・・・・」とあれこれ考えていたところ、集中力を使いすぎて途中でショートしちゃったようでした^_^
とにもかくにも、格上相手に集中しながら一生懸命指していたようで、1局終わった後には「ふぅ〜。疲れた〜」と言っていました。
※ちなみに、お子さんの指し方について、早指しだと集中していないというわけではありません。あくまで、考えて将棋を指すようになると一局が長くなる傾向があるということです。
2.静かに指すようになる
さて、先ほど早指しをしていたお子さんが、考えて将棋を指すようになると、自分の中であ〜でもないこ〜でもないとシミュレーションするようになるというお話をしたのですが、将棋でさらに集中力がついてくると、今度は口に出しながら整理していたシミュレーションを、全て自分の頭の中で完結できるようになります。
その結果、子どもたちにどのような現象が起きるのかというと、非常に静かに将棋を指すようになります。恐らくですが、考えるための材料や将棋の技術が知識としてしっかり身に付き、しゃべる暇もないくらいに頭の中がフル稼働しているのだと思います。ポンポン指していたのがブツブツ指すようになり、最終的には黙々と指すようになる。これは教室の生徒の一例ですが、ここまでこれば、将棋を通じてしっかり集中力が身についていると言ってもいいと思います。
さて、いつつ将棋教室の生徒さんにも、入会当初には将棋よりも友だちと指せることが楽しいといった感じで、自分の対局中もお友だちの様子が気になって話しかけたり、よそ見したり、対局になかな集中できないお子さんがいました。
しかしながら、将棋教室に通い続けるうちに、彼らは将棋を指すことのおもしろさに目覚め、今ではすっかり集中して取り組むことができるようになりました。また、自分の対局に没頭するだけでなく、他の集中できていない子に対して自ら「集中しようと」と声をかけるようになるなど、後から入ってくる生徒さんたちにとっても、すごく良い見本となってくれています。そんな成長した姿をみるのは講師やスタッフとしては嬉しい限りです。
3.気持ちを切り替えができるようになる
将棋は勝敗がはっきりつくだけに、「負け」は本当にくやしいものです。将棋を始めたばかりの子はこの「負けました。」をなかなか言えません。日常生活で「負けました。」と潔くみとめるシーンってあまり経験ないですよね。ただ裏を返せば、将棋ほど悔しさを乗り越える経験をたくさん積める競技は他にはないともいえると思います。
いつつの将棋教室でも、1度負けると、泣いてしまったり、将棋をやりたくなってしまったりしまったりする子というのは少なくありませんが、教室に通い続けるうちに、次第に負けを気にしないようになります。
これは、決して悔しいという気持ちを無くしたということではありません。何度も負けを経験するうちに、多少打たれ強くなり、そして自分なりの上手な気持ちの切り替え方のようなものを身に付けているのです。
特にまだ年齢が幼いうちは、負けた後すぐに立ち直るということは難しいように感じます。ただ、それでも、少し休憩を挟んだり、ちょっとの間詰将棋を解いてみたり、先生との指導対局をしたり、気分転換の時間を挟むことで、ちゃんと自分の気持ちに折り合いをつけ、再び「対局する?」と聞くと「うん。」と答えてくれルことが多いです( ´∀`)
気持ちの切り替えがしっかりできていれば、それは次の対局にちゃんと集中力を持って臨める証になりますよね。
4.長時間集中できるようになる
いつつ将棋教室の講座の中でものびのび将棋教室(たくさん対局をする講座)は2時間と長丁場です。それゆえに、のびのびにきたばかりのお子さんは、2時間集中して将棋を指すというのが大変なようで、まだ30分しか経ってないのに「休憩する」といい出したり、隣のお友だちにしゃべりかけたり、中には立ち上がってうろうろしまうこともあります(;´д`)
しかし、将棋教室に通いはじめて半年くらい経つころには、みんな2時間集中して将棋を指すようになります。最初の方にも書いたように、将棋に関する知識が色々と身についたことで、考える材料が多くなり、結果として、考えている(集中している)時間が多くなります。「あれ?もう終わり?」という言葉を聞くと、「お!集中していたんだね。」と嬉しく感じます。集中している時間ってあっという間に感じますよね。
また、子どもたちは、勝ちたい!という気持ちが強まるとさらに集中力が高まるようで、調子がいい時は、途中の5分休憩も「いらない。もっと将棋指したい」と断られてしまうこともあります、笑。
5.勝敗にこだわれるようになる
3番でもお話したことですが、将棋ほど負けて悔しい競技はなかなかありません。
これは、以前に手引帖のユーザーテストで保護者の方からお話を伺っていたときのことですが、子どもが将棋を指すようになって良かったこととして、負ける悔しさを覚えたことというのを挙げてくれました。これまでは、ドッチボールなどで負けても平然としていたお子さんが、将棋に負けた時、とても悔しそうにしていたのです。
勝ちたい想いが強いからこそ、1局1局真剣に挑む。真剣に挑んでるからこそ、集中力は高まって行くのだと思います。いつつ教室では定期的に交流大会といって、大会を開催していますが、緊張感がある中「優勝したい!」という想いで対局を指すので、皆とても集中しています。教室ではなかなか集中してきれない子も、こうした場面では人が変わったように集中する子もいます。定期的な大会で、勝敗にこだわるような仕組み作りも大切ですね。教室でなかなか集中できない子は、こうした大会の経験などをさせると「集中してる」自分を経験できるので、普段の教室でも良い影響がみられると思います。
さて、本日はいつつ将棋教室で子どもたちがどんな風に集中力をつけていってるのかについてご紹介させていただいたのですがいかがでしたでしょうか。集中力は一朝一夕につくものでもないと感じています。日々の積み重ねによって、すごく短い時間しか集中できなくも、それがだんだんと長くなってくればいいのだと思います。詰将棋をタイムで測って生徒同士で競い合って解いたり、それはたった5分くらいの集中だったとしても、集中する経験が大事だと思います。将棋は学ぶほど、考える材料も増え、悔しい気持ち、勝ちたい気持ちが芽生えてきます。強い子ほど静かに集中して対局をしています。そんな姿も見ながら、生徒は集中して将棋を指したほうが良い手が指せそうだなと自然に感じるのだと思います。部屋の中で「静かに次の一手を考える」という環境は、集中力をつけるのに、とても良い環境だと思います。
将棋を通してお子さんに集中力をつけて欲しいというお子さんはぜひ、お子さんに将棋をご検討して見てください٩( ‘ω’ )و
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