連載:東京新聞「子育て日記」 2016年5月9日
冷や汗レッスン -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ
先日、次女のマキが通う年長さんのクラスに、将棋のレッスンに出掛けてきました。
保育所で将棋を教えるのは初めての経験。駒の動かし方から始める、一からのレッスンです。
駒の漢字は憶えられるかな?集中力はどのくらい持つかな?
どう進めるのが良いか、色々と思い悩んだ結果、保育所の先生達が、よく子供達に紙芝居を読み聞かせているのを思い出し「よし、紙芝居を作ってみよう!」。
『しょうぎってなあに?』パソコンを使って、ウサギさんが登場するバージョンを作っていると、長女のマイが寄ってきて「解説役のどうぶつは、フクロウがいいと思うよ。」なるほどね。
次は、駒の動かし方をどう説明しよう。やっぱりイラストだよね。
駒の形に切った大きないろ紙に、表に漢字、裏にはイラストを書きます。玉と書かれた紙を、クルッと裏返しにすると、王様のイラストが出てくる。将棋の駒は8種類あるので、それぞれ、動きの性質になぞらえたイラストを入れてみました。
「桂という駒はピョンピョン跳ねるからウサギ」マイと二人で、「まっすぐ進む香はスカイツリーだね」と私が言うと、マイも「いいねー」と二人で盛り上がりました。
マイには将来、私の助手になってもらおうかな(笑)。
さて、当日。生徒は18名。パパも助っ人に呼んで、夫婦での講義です。先生達がついていてくれるので安心です。
「あれ、マキちゃんのママ、なんでいるの?」「今日は先生なんだよ~(笑)」
さて、早速レッスン開始。紙芝居はなかなかの好反応。つかみはOKね。
次は、大盤を使って、駒の動かし方の説明。用意した駒型いろ紙を使って、一つ一つ説明して行きます。イラストがあると、子供たちも楽しそうに見てくれます。
一通り説明を終えて、「では、おさらいです。駒の動ける場所に、丸いマグネットを置いてくれる人?」「はーい!」と元気よく手が上がります。「はい、○○ちゃん。」皆ちょっと嬉しそうに、前に出てきてやってくれます。
ちょっと迷ってる子がいると、「頑張ってー」と後ろの席から応援の声。普段からお友達を応援する事ができているんだね。
さすがは、来年小学生の年長さんです。
さて、マキはというと、パパとママが教室にいるので、とても嬉しそう。
駒の説明で、私が「金の駒はイラストに例えると~」と紙をめくって言おうとする前に、「これはきのこだよ~」なんてバラしてしまったり。(おうちで作っているのを見ていたな!)。
マキは、かなりおどけていました。
さて、途中までは順調だったのですが、「はい、次は王様を捕まえる練習をしましょう」と、実際に二人のペアになってやらせて見たのですが、説明が足りなかったようで、大混乱に。
「わかんな~い」「むずかしい~」。集中も切れ出す子供達。先生達のフォローで何とか切り抜けましたが、冷や汗をかきました。これは私の次回への課題です。
子供達の能力は、教え方が良ければ、どんどん伸びて行くものですね。今度行く時は、みんなをもっと楽しませるからね!
保育所から帰ってきたマキに、早速、感想を求めると「面白かったよ。あの後、○○くんとか、みんな将棋やってたよ。」
後日、ママさんからも、「将棋盤ってどこで売ってるの?」と聞かれ、おうちでも続けている様子がわかり、嬉しく思いました。
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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2014年6月27日 朝刊
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