連載:東京新聞「子育て日記」 2017年4月27日
すったもんだ家族会議 -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ
仕事や家事、子どもの習いごと、学校行事などなど、家が回らないぞーと感じ、焦ってイライラが募る毎日。
「これ手伝って」「早くしなさい!」「何度言ったらわかるの!」等々。口うるさい自分も嫌になってしまいます。
子どもたちには、自分のことを自分でやり、早く家族の一員として戦力になってほしいと思っているのですが、なかなか・・
私も思いつきでガミガミいうより、みんなで一度、じっくり話してみようかな。
そうだ、家族会議をしよう!
早速、その日の夕食後、会議を開くことにしました。まずはママの窮状の訴えから。
「このままでは、家中が散らかり、ママも体力が持ちません。これからみんなで、どんなお手伝いができるのか、自分達でできる身の回りのものは何かを、話し合いたいと思います。」と切り出すと、「家族で会議」というのが学校の話し合いの雰囲気と重なって新鮮だったのでしょうか。3人とも目を輝かし出しました。
「私は書記になるね。」とマイ(11歳)がノートに書き込んでいきます。
マキ(8才)が「はい!」と手を挙げ、その場で起立「私は、布団たたみは当番ではなく、自分の布団は自分でたたむようにすればいいと思います。」優等生的発言で、本人もなんだか誇らしげ。よしよし、いいぞ。
私はホワイトボードに意見を書きながら、子どもたちに流れを任せてみました。すると「そしたら、3人で当番制にすることと、自分たちでやることを決めようよ。」私が勝手に決めて当番を割り当てるより、自分たちで決めた方が、納得がいくはず。思わぬ展開に、ママニンマリです。
話し合いは順調に進んでいると思ったのですが…「なんで全然マキの意見が通らないの!」と、マイに対し、突然マキが怒り出しました。
マキは、自分の意見が通らず、自分がバカにされた気持ちになってしまったようなのです。大人の会議でもあることだと思いますが、小さいうちにこういう経験をしておくのも良いことですね。
シン(6才)は「お手伝いしたら、ノートに書いておこづかいをもらようにするー。」なんて発言したり。すったもんだの末、なんとか会議終了。
「お風呂」「食事の準備手伝い」「食事の後片付け手伝い」の3つを、曜日ごとに3人で担当することが決まりました。もっとやってもらいたい事はありますが、初めはこのくらいで。
早速次の日から始めます。みんな、壁に張った当番表を見て、自分のお手伝いを確認しています。
子ども達にとっても、私に「誰か手伝って~」と言われるより、「当番の人だれ~?」と言われる方が「あ、自分がやらないと」という自覚が出ていいようです。
すべり出しは順調。このままうまく行ってくれると良いのですが…。
*
この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2016年12月20日 朝刊
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