株式会社いつつ

連載:東京新聞「子育て日記」 2016年11月28日

デートに上機嫌の次女 -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ

中倉 彰子

次女のマキ(7つ)に「ママはシン(6つ)ばっかりかわいがっている!」「ママとデートしたい」と言われ、二人でデートコースを考えたのが前回のいつつブログでのお話し。

その後マキは「いつにする?」と何度も聞いてきます。仕事がたまり曖昧に答える私に、マキはついに業を煮やし「今度の日曜にするから、約束だよ!」と半ば強引に決めてしまいました。

当日、マイ(11)は部活、シンは伯母夫婦にお願いすることに。車に乗ると、マキは何やらゴソゴソ。少し照れながら「プレゼントがあるんだけど」と手作りの花瓶をくれました。花瓶にはバラの造花が挿してあり、リボンには「ママへ」の文字。

前に、「ママこっちに来ないで」と言って作っていたのはこれだったんだ、とうれしいサプライズに感動しちゃいました。マキが将来男の子とデートをする時はこんなプレゼント作戦をするのでしょうか(笑)。

マキからサプライズでプレゼントをもらいました。
マキからサプライズでプレゼントをもらいました。

まずは、デパートでショッピング。最近マキは化粧に興味があるみたいで、時々私の化粧品を使おうとします。テスターのほお紅をつけてみたり、口紅や良い香りのするハンドクリームつけたりして楽しみました。

ネイルコーナーでは「あーこんな色を爪にぬってみたい」。私はネイルや化粧品には疎いので将来、はやりモノの情報を、マキが教えてくれるようになるのかなーと想像して、我が子がちょっと頼もしく思えました。

喫茶店では、マキが突然「デートといったらパフェだよね」言い出し、いったい何のテレビ番組を見たのやら、ちょっぴり心配になりました(^_^;)。そして、パフェが来る前に、持ってきた宿題を二人で一緒にやりました。

デートといったらパフェ…?
デートといったらパフェ…?

「今日はデートだからガミガミにならないぞ」と決めていたのに「鉛筆の持ち方が違うよ」「漢字の書き順ちがうよー」って、やっぱりいつもと同じ…。なんでこんなに私、口うるさいんでしょ。

パフェはマキ一人では食べきれないほど大きく、若いカップルみたいに二人で仲良く一緒に食べました。

よく考えてみると、最近、マキの笑顔を見ていなかった気がします。三人姉弟の競争から離れて、ゆっくり母子二人で過ごす時間も、たまには作ってあげないとなぁと改めて思いました。

しかしその後伯母から電話があり、シンのお迎えの段取りの話をしていると、急にマキの機嫌が悪くなり「まだこれからシールとか買いにいけると思ったのに~」とブーたれ始めます。まあデートの終わりは寂しいものですから。

家に帰ると「次は僕だからね!」とシン。デートのお誘いだったら、もっと優しい口調でお願いします。とは言っても、誘われているうちが花なんですが(^ ^)

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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2016年11月1日 朝刊


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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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