株式会社いつつ

子育て 2016年8月1日

姉が心尽くしで弟祝う -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ

中倉 彰子

日に日に口が達者になってくる我が家の3人の子どもたち。

赤ちゃんの頃は、授乳、抱っこ、オムツ替え、夜泣きで睡眠不足と、子育ては体力勝負でしたが、最近は、口の勝負が多くなってきました。

3人それぞれが主張するので「あちらを立てればこちらが立たず」ケンカを仲裁するのもひと苦労です。

「分身の術で、3人それぞれ専門のママがほしいよ。」と言うと「だったら私はホンモノのママがいい。」「私だって!」とまたケンカ。いや冗談ですからー、笑

心に余裕があるときはなんとか対応できますが、仕事帰りでヘトヘトの時などは、ついつい子ども達を叱ってしまいます。

先日も、夕方の時間、長女と次女の口ケンカがきっかけで、私にも飛び火し、ケンカの輪に加わってしまいました。

「ママ、車の中で頭を冷やしてくる!」子どもたちと離れて一人、駐車場の車にこもること10分。気分も少し治まり家に戻ると、あれ?仲よくなっている。

そして3人で考えたという踊りをママに披露して、笑わそうとしています。一応一件落着。

でもこれが良い解決方法だとは思えないなぁ。ケンカは子どものコミュニケーション能力を育てる大事な経験。放っておくのが一番と聞いた事があります。

ただ現実は、怒ってしまう→反省する→悩む。の繰り返し。どうしたら聖母マリア様のような微笑みを絶やさない母になれるのでしょう。

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そんな、ケンカが絶えない姉弟ですが、今月シンの誕生日を迎えるに当たっては、次女のマキが心尽くしの準備をしてくれました。

家で飾り付けをしたいとのことで、パーティー用のリボンで部屋を飾り付け、三角帽子やクラッカーなどを購入。

自分のお小遣いでプラモデルを買うと、包装紙でラッピング。「ママ、これ隠しておいて。」

ノートに台本を書き、模造紙に当日のスケジュールを書き込みます。「ここでシン登場」「ケーキをだす。マキ→ピアノ、マイ→タンバリン、みんな→歌う」。という具合に書かれています。

ケーキは手作りにしたいとのこと。焼くのは大変なので、スポンジケーキを買って、生クリームとチョコレートの飾り付けをする事にしました。プレートにはチョコペンで「シンへ」と書きました。

当日の仕切りも、もちろんマキ。クラッカーの音が怖くて隣の部屋に避難したシン(いったい誰のためのクラッカーなのか笑)。

「はい、シン、クラッカー終わったよ。次はケーキのろうそくだから戻って。」マキが部屋の電気を消して、シンが、ろうそくの火を消します。

誕生日プレゼントをもらい、シンは大喜び。まきも満足そうです。こんなお姉さんらしい一面もあるんだと嬉しく思いました。

こうして、少しずつ、姉弟の絆を深めて行くのかもしれませんね。

*
この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2016年6月28日 朝刊

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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