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連載:東京新聞「子育て日記」 2016年5月9日

大人への階段 -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ

中倉 彰子

先日、家族で河口湖へ家族旅行に行きました。

私達夫婦は、いわば自由業。暦のお休み通りに、旅行に行くということがあまりありませんでした。

土日お休みの日は、将棋のイベントへの出演などお仕事があるかわりに、平日は、比較的融通が利きます。

しかし、長女が、小学校へ入ってから、平日休む、わけには当然いきません。大型連休の予約は、年の暮れ、海の日あたりの予定は、4月頃。ということをママ友に聞いて、そんなさきさきと読まないと行けないのね、と。

将棋では先を読む練習をしているのに、実生活では、まるでだめです。

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そんなことで、大型連休は、平日の学校が終ってからい一泊でやっとホテルがとれて、行くことになりました。

高速をおりて、富士山が大きく見えるところへくると、車内から「わー!すごいー!」と歓声が。これが世界遺産に登録された富士山。雄大です。てっぺんに雪がかぶっていて、それはそれはきれいです。

さて、家族旅行では、毎回子供達の成長を感じることができます。夕食のバイキングでのできごと。

長女のマイは、弟妹に、「はい、ではこのお皿を使って、すきなものをとるよ。」と先生のように仕切っています。

以前バイキングでは、3人の子供の食事を何往復も運び、その後自分の分も運び・・、さぁ食べようという時に、子供達が食べ終わり席から立ちあがってしまうので、本当に短い時間で食べないといけなくて、いったい何を食べたのか記憶に残らないくらいでした。

主人も疲れてしまい「バイキングは、しばらくやめよう。」と言っていたのです。

しかし、今回は、なんと子供達だけで、とりにいってくれるので、親も、同時に食事を選ぶことができました。そして、食後のコーヒーまで楽しむことができるとは!

マイは、多少おせっかいなところがあり、そこが弟妹にうとまられてケンカ・・ということもあるのですが、面倒をみることが好きなようなのです。弟妹が運び終わったら、自分のものを運んでいるのをみて、少し驚きました。

さて次の日は、テーマパーク。

ウォーターバルーンやアスレチックなどもをしました。

アスレチックにあった吊り橋は、しんは「ゆれるからやだ。」ととまっていると、横をススッとまるで忍者のように、走ってわたるマキ。マキは、オテンバです。おそるおそるママと手をつないで渡るシンとは対照的すぎます。

そうそう、マキは、ホテルで、興奮のためか、ねつけずに、あまり睡眠をとらずに、次の日をむかえたのに、このはしゃぎぶり。

お昼ご飯のときは、テーブルをまくらに、休んでいたのに、午後になるとまたシャキッと目をさまして、走りまくります。子供の楽しさへの興味ってはかりしれないですね。

思いっきり遊んでさて、帰ろうと思った時、マキが、驚いた顔をして、私たちに近づいてきました。
「歯が抜けた!!」。

ずっとグラグラの歯がありました。保育所のお友達もグラグラしているこも何人かいて、「いつぬけるかね。」と話をしていたようなのです。グラグラの歯は、大人への第一歩的な感覚でステイタスだったようなのです。

「先生に言わないと。○○ちゃんもぬけたかな。」と他の子も気にしつつ、ちょっと自慢げなマキです。
パパも「はいマキちゃん初めて歯がぬけました!」とビデオに録画。(かなりの親ばかです。)

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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2014年5月23日 朝刊

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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