連載:東京新聞「子育て日記」 2016年5月9日
手術のおかげで -プロ女流棋士中倉彰子 子育てブログ
先日、次女のマキ(5つ)が、目(斜視)の手術で、入院する事になりました。
普段は何ともないのですが、時々、片方の目が外にずれる事があり、気になって、4歳の頃に、受診。
それから定期的に病院に通っていました。手術は、目の筋肉の位置をずらし、目が外れにくくするというもの。
手術をいつにするかのタイミングを計っていましたが、術後は片目がひと月位赤くなるとの事で、先生から、小学校就学前が良いでしょうと勧められ、この時期に。
入院は2泊3日。目の手術なので、最初はそれほど深刻には考えていませんでしたが、麻酔科の先生から説明を受けた際、「全身麻酔をするので、その間、自分では呼吸をしなくなります。」と聞かされ、これは命に関わる事なんだと、ハッとしました。
さて、手術当日。朝10時に、夫と私とマイ(9つ)の3人が、付き添いで病院へ。初めての入院と手術とあって、マキは少し不安そう。
病室に入り、看護師さんから、色々な事を聞かれ、説明を受けます。
手術は午後1時から。マキも最初は普段と同じように、ベットの上で折り紙などをしてマイと遊んでいましたが、時間が近づくにつれて、不安になってきたよう。「麻酔は痛くない?」と聞いてきます。
いよいよストレッチャーで運ばれる段になると、堪らず泣いてしまうマキ。ここからはマキ一人。私も胸が張り裂けそうです。
手術は約2時間。呼吸器をつけ、左目にはガーゼ、うつらうつらした状態で帰ってきたマキ。痛々しい。
先生から「問題なく、予定通り終わりました。」
聞かされホッ。マキ、よく頑張ったね!
少しずつ、麻酔が切れ、目が醒めて行くマキ。後で暴れて目を触らないように、両手はベットに縛られています。喉が少し痛いようで、時々咳き込んでいます。
「もうやだよ~。」と泣くマキ。その後、しばらくして、やっと水を飲めるように。完全に目が覚めて落ち着くまで、手を握ってあげました。
両手も使えるようになり、午後6時から夕食。心配する私をよそに、パクパク食べるマキ。お昼ご飯を食べていないので、お腹がすいていたようです。食べる事ができたので、点滴も外します。これでやっと自由に。
マイは、一緒に折り紙を折ってあげたり、本を読んで上げたりと、マキのお世話をしてくれました。マイもいつもと違うマキの姿に、思うところもあったようです。
その日の夜は、私も簡易ベッドで、一緒に病院に泊まりました。目が痛いというので、看護師さんに、痛み止めの薬を飲ませてもらいました。
その後も順調に回復。
いつもの元気なマキが戻って来て、ホッとしました。退院の日は、シン(4つ)が病院までお出迎え。
小さい子は病棟に入る事ができなかったので、久し振りのご対面です。病院の入り口で、しっかりと抱き合う二人(笑)。
普段はしょっちゅうケンカをしている二人ですが、心の奥では、しっかり繋がっているのでしょう。
今月、誕生日を迎え6歳になったマキ。これらも元気いっぱいで育ってほしいものです。
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この記事は、東京新聞にて中倉彰子が連載している「子育て日記」と同じ内容のものを掲載しております。
:『東京新聞』2014年10月17日 朝刊
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