株式会社いつつ

連載:全国将棋道場巡り 2016年2月29日

プロ棋士との距離の近さが魅力!日本将棋連盟「関西将棋会館道場」訪問記

中倉 彰子

女流棋士の中倉彰子です。今回は、日本将棋連盟の「関西将棋会館道場」におじゃましたいと思います!
(他の将棋道場訪問記はこちら!)



実は、関西将棋会館には、あまり行く機会がありませんでした。対局で遠征したのも1、2回ほど。ですので、東京の将棋会館道場で感じた懐かしさではなく、ワクワクした気持ちで玄関に入りました。1階の看板や王将の駒の前でパチリ(完全におのぼりさん状態です。笑)

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道場に入り、まずは探検。これがよく写真で見る大盤解説のセットですね! 階段があるのが、良いですよね。ちょっと登ってみましたが、見晴らしがよくっていい気分でした。

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さて、道場を見渡すと、かわいらしい姉妹が将棋を指しているので、見に行きました。聞けば、幼稚園生と小学生の姉妹とのこと。2歳違いということで、どこかで聞いたことがありますね(^^)。ちょうど、妹さんが駒を取られて、泣いてしまっているところでした。ママさんも、一緒に観ています。3人で来ているのかしらと思ったら、後ろで指しているがパパさんでした。家族で将棋道場なんていいですよね

お父さんが娘さんたちに教えたとか、ママさんもパパの影響で最近覚えたとか、突然話しかけたのにとてもフレンドリーに接していただいて、いろいろお話をさせていただきました! 帰り際は、パパさんが、お子さんに10枚落ちで優しく指導していました。うん、素敵な家族です♪

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お次は若手の将棋ファン。当日は棋王戦第2局の日でしたので、熱心にタイトル戦の検討をしていらっしゃいました。島井咲緒里女流二段のTwitterに影響されて購入したという猫将棋パーカーがお似合いです。ついでに宣伝ですが、いつつのTwitter中倉彰子のTwitterもどうぞよろしくお願いします(^^)。関西将棋事情などお話を伺って盛り上がったところ、「あの高橋和さんですよね」って。違うーー(^^)。いや、年も同じですけどね、昔お仕事もよくご一緒させていただきましたけどね。

「中倉の姉の方です(笑)」

でも、そんなボケとツッコミも大阪ならではなのでしょうか。気さくに話しかけに応じてくれる方ばかりで楽しかったです。

職員さんにインタビュー

さて、思う存分関西将棋会館道場を見学したあとは、職員さんにお話をお伺いしました。お時間をいただいたのは、日本将棋連盟総務・渉外部の堀井直哉さんです。

日本将棋連盟総務・渉外部堀井さん
日本将棋連盟総務・渉外部堀井さん

中倉彰子(以下彰子):もうこの道場には長いんですか?

日本将棋連盟総務・渉外部堀井直哉さん(以下堀井さん):10年近くになりますね。

彰子:それならお客さんとは知り合いですね。

堀井さん:大体の方はわかります。

彰子:では、棋士や女流棋士が通っていた頃も覚えてらっしゃいますか?

堀井さん:長谷川優貴女流二段北村桂香女流初段が通っていた頃はよく覚えていますね。

彰子:先ほどかわいらしい女の子にお話を伺っていたのですが、じゃあその頃から見守っていたんですね。

堀井さん:そうですね、小学生の頃からですね。プロになってくれるとやっぱり嬉しいですよね。熱心に通ってくれていたのを見ていましたからね。長谷川さんのデビューは衝撃的(彰子註:デビュー棋戦であるマイナビ女子オープンでタイトル戦挑戦者となりました)でしたし、やっぱり嬉しかったですよ。

彰子:さて、今回お伺いしたのは、将棋道場って入りづらくてハードルが高いと思われているようで、そんなことないよ、とアピールしたいからなのです(笑)。

堀井さん:最近は将棋ウォーズなどのアプリで将棋を指す人が増えてきて、若い人たちも道場に通ってくれるようになってきています。昔と比べるとハードルは下がっているし、級位者の方も増えてきているように思います

彰子:将棋ウォーズ効果、さすがですね! いつも何人くらいの方が指されているのでしょうか?

堀井さん:180席ありますね。埋まるかどうかは日によって違いますけども。

彰子:東京・将棋会館道場が140席というお話だったので、関西のほうが広いんですね。でもゆったりしている感じがします。

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彰子:お子さんはどれくらい来ていらっしゃるのでしょうか?

堀井さん:3〜4割くらいですね。東京よりはちょっと少ないかもしれません。土曜日曜には子どもスクールもやっているので、教室後にそのまま道場で将棋を指していく子も多いですね。

彰子:システム的には、千駄ヶ谷と同じでしょうか?

堀井さん:そうですね、聞いている限りでは大きな違いはありません。春休み等の長期休み中は、子ども向けパスポートもありますよ。手合カードが埋まると、半額で2枚目のカードがもらえる仕組みになっています。2枚目にいく人は、たいていがお子さんばかりですけれどね。

彰子:東京は黄色だったのですが、関西は緑の手合カードなんですね。

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彰子:道場のウリをぜひ教えて下さい!

堀井さん:なんといってもプロの先生との距離の近さでしょうか。対局中のプロ棋士がふらっと立ち寄ったり、検討しているプロ棋士が道場の端っこにいたりするのは、関西将棋会館道場ならではだと思います。平日だと、結構利用されていると思いますよ。

彰子:プロ棋士がいるとお客さんが集まってきたりして賑やかになりそうですね♪

堀井さん:いえ、お客さんももう慣れっこのようで、意外とそっとしておくような・・・(笑)。

彰子:あと、入り口付近の「使用禁止」となっている盤駒は何ですか?

堀井さん:あれは、車いすの方用のスペースなんです。車いすで来られた方は、あそこで対局していただくと移動もしないで済むので便利ですからね。

彰子:なるほど〜。車いすの方にもやさしい作りになってるんですね。

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中倉彰子の訪問後記

私も関西所属の先生方とお仕事をさせていただくことがありますが、皆さんアットホームな感じで、気さくに話しかけてくださる印象があります。そんな印象を関西の道場にも感じました。節々に見られる「大阪風」なポイントも、私には新鮮でした。例えばこの写真! なかなか東京の道場にはありませんよね!

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大阪総本山の道場、関西将棋会館将棋道場レポートでした。ご対応いただいた堀井さん、ありがとうございました!

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道場データ

道場名称 関西将棋会館道場
場所 大阪府大阪市福島区福島6-3-11 関西将棋会館2階
営業時間 午前10時~午後8時30分
定休日 元日のみ
電話番号 06-6451-0220

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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