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将棋を学ぶ:はじめての将棋教室 2017年8月25日

あきこ先生の”はじめての将棋教室”ステップ3-1二文字駒

中倉 彰子

ステップ3-1二文字駒

今日からステップ3が始まります。ステップ1と2では、将棋の簡単なルールや動かし方を学びましたね。ステップ3では、もう少し本将棋を楽しめるようになるために、指すための基本となるテクニックを学んでいきます。

第1回目の今日は、少しだけ指すことから離れて将棋の駒のお話しです。みなさんが使っている駒のおもて面の文字は一文字ですか?二文字ですか?動かし方のマークがついているような入門駒を使っている場合は一文字駒かもしれませんね。ちなみに、あきこ先生の“はじめての将棋教室”で説明を行うとき、基本的には一文字駒のイラストを使用しています。その方が文字が大きくて見やすいからです。多分同じ理由で、テレビの将棋対局でも一文字駒が使われていますよ。観戦している人の見やすさを考えているんですね。

ただ、一般的には二文字の将棋駒が主流です。将棋大会や将棋道場、教室などでも二文字駒が使用されることがほとんどだと思います。そして裏返った時の成駒には「くずし字」が使われています。まず二文字駒の表と裏を見てみましょう。

二文字駒とその成駒
二文字駒とその成駒

銀・桂・香は、成ると「金」と同じ動きになります。そのため、全て「金」をくずしたものになっています。香の成駒は、まっすぐ進む香車らしく長細い感じになっていますね。銀→桂→香の順に金の文字がくずれていっていますので、気をつけて見てみてください。

成駒くずし字
成駒くずし字

先ほどお話ししたように、将棋大会では二文字駒が使われています。裏がくずし字になっていますので、見たことも使ったこともない…という場合は困ってしまうかもしれません。入門駒しか使ったことがなくて、初めて大会や道場に行こう!と思った時には、前もって二文字駒とその成駒に慣れておくとよいでしょう。「飛車・角の成駒」「銀・桂・香の成駒」がややこしいので区別がつけられるようにしましょうね。

余談ですが、かおりちゃんから「何で歩がひっくり返ると「と」なのですか?」という質問を受けました。なかなか難しい質問ですね。有名な説としては、最初は「金」と書いていたのが、「金」の崩し字の代用として同じ音の「今」という漢字を駒師が書いているうちに、「今」を崩した字が「と」に見えるようになったので、歩の裏だけ「と金」と呼ぶようになったのではないか、ということです。ただ、諸説あるそうですので、興味があれば調べてみてくださいね。

二文字駒で将棋
二文字駒で将棋

〜レッスン後〜

くずし字は大人がみても難しいですよね。我が家には、動かし方の書いてある入門用駒しかないので、最初は見慣れなかったようです。大会に出ることになった時に、とにかく成駒の見分けだけは練習していきましたよ。もともと将棋の駒の漢字自体、ちゃんと読めているわけではないので、子ども達にとってはくずしてあってもなくても、形で覚えることに大差は無かったようです。今ではすっかり「金」の方の見分けは大丈夫…と思ったら、こっそり「龍馬」をひっくりかえして「角だった…」と確認…。あれ?そちらはあやしいようです〜。

次回のステップ

さて、今回の “はじめての将棋教室” はいかがでしたでしょうか?次回は、「棋譜の書き方」について学びます☆

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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