株式会社いつつ

連載:全国将棋道場巡り 2016年9月2日

村山聖さんも通ったプロ棋士多数輩出の名門道場 – 広島将棋センター

中倉 彰子

今回は、「広島将棋センター」さんにお邪魔してきました。広島将棋センターといえば、数多くのプロ棋士を輩出している中国地方の雄。2016年現在、故村山聖九段、山崎隆之八段、糸谷哲郎八段、片上大輔六段、竹内雄悟四段の5人のプロ棋士が広島将棋センターで切磋琢磨してきたそうです。

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LPSAの「小中学生女子アマ名人戦」の中国大会にも協力してくださっている、子どもにとても優しい広島将棋センターさん。その席主である田儀聖吾さんに広島名物のおいしいお好み焼きを食べながらお話をお伺いしてきました。

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とにかく、将棋を楽しんでもらいたい

中倉彰子(以下彰子):お好み焼き、美味しいですね!
田儀聖吾さん(以下田儀さん):地元人はどこのお店が美味しいかわかってますからね!
彰子:いや〜、広島に来てよかったです(^^)
彰子:(もぐもぐもぐもぐ・・・)

スタッフ:ものすごい数のお子さんが来ていらっしゃいましたね。お子さんを指導する上でこだわられていることを教えていただけますでしょうか。
田儀さん:なによりも、楽しんで欲しいと思っています。帰り際に親御さんに向かってニコッと「楽しかった!」と話しているのを見ると、充実感を感じますね。指導に関しては、あまり厳しいことは言いません。ただ、強い子にはどんどん成長の機会を与えたいと思っています。実は今、ものすごい小学生がいるんですよ。彼はセンター開設以来最速でプロになって活躍できると信じていますし、期待しています。
スタッフ:それは楽しみですね。
田儀さん:そうですね。うちの道場はたくさんの大会の運営に携わっていて、愛棋家に参加する機会を提供しています。
スタッフ:対局をたくさんこなすことが重要ということですね。

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プロ棋士を多数輩出する名門道場

彰子:広島将棋センターからは、たくさんのプロ棋士も出ているのですよね。
田儀さん:そうですね、村山くん(故村山聖九段)は私の3つ下なのですけれど、私が中学生の頃に何度か対戦しています。ちょうどその1〜2年前に広島将棋センターができたんですよ。
彰子:奨励会に行くと応援する、って感じですかね。
田儀さん:本多さん(冨治さん、広島将棋センター開設者。故人)がいたころはあまり意識していなかったのですが、私が責任ある立場になってからは、成績も気になって、もちろん応援していました。私が直接指導したのは糸谷くんで、本多さんが直接指導したのが、片上くんですね。糸谷くんは、幼稚園の頃から、将棋に限らずたくさん本を読んでいました。
彰子:今まで何人くらいのお子さんを教えてこられたのですか?
田儀さん:年間60〜70人くらいですかね。10年20年と経つので1000人以上になるのでしょうか。
彰子:強くなるお子さんの特徴は何かありますか?
田儀さん:何も言わずとも、早いうちから頭角を現す子が多いですね。竹内くんは例外で、彼は高校生から奨励会に入って頑張っていましたが。
彰子:ひとつの道場からこんなにたくさんプロ棋士が出るのもすごいですね。
田儀さん:そうですね、広島を中心に中国地方から強い子どもたちが集まってきてくれるのも大きいと思います。

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子どもたちのための「広島王将会」

彰子:ぜひ道場のセールスポイントを教えて下さい。
田儀さん:なんといっても広島王将会ですね。毎月2回、高校生までの子どもたち(ただし、女性は大人でも参加可能だそう)が道場に集まって対局し、昇級・昇段を競っています。広島王将会の段級位認定は通常より厳しいのではないかなと思っています。その王将会で上位の子どもたちは、大人に混ざって広島将棋同好会支部で将棋の勉強をする機会を与えています。
彰子:日付を決めているのですね。
田儀さん:はい、広島王将会は月に2回、広島将棋同好会支部は月に1回、例会を開いています。
彰子:昇級・昇段スピードが遅くなってしまい、子どもたちのモチベーションが下がることはないですか?
田儀さん:特にそういったことはないですね。

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中倉彰子の訪問後記

広島将棋センターといえば、これから映画化される「聖の青春」の主人公村山聖さんが小さいころに通った将棋センター。また様々な棋士を輩出しているということで、どんな秘密が隠されている将棋センターなのか!とても楽しみにしていました。

私たちが訪問した日は、広島王将会の例会日。びっくりするくらいたくさんの子どもたちが所狭しと対局しています。広島県内のみならず、山口、島根、岡山と近県からもわざわざ通う子どもたちも多いのにも頷けます。

またお客様が楽しめるようにと、「四勝賞」「五勝賞」など、ちょっとした賞品が置いてありました。お父さんおじいちゃんが、これを持って帰ったら、お家の人も喜びそうです。こんなちょっとしたアイデアと田儀さんの人柄で、沢山のお子さんが集まるのでしょうね。

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センターの壁には、山崎さんの叡王戦のポスターや、糸谷さんが竜王を獲得した時のものでしょうか「竜王」という置き駒もありました。そして、もちろん「聖の青春」も。地元の方が、温かく応援している様子も伝わってきました。

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道場データ

道場名称 広島将棋センター
場所 広島県広島市中区立町1-2
ベルプラザ4F
営業時間 平日 12時~21時30分
日曜・祝 12時~21時
定休日 元日
電話番号 082-246-9585

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この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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