4月10日、杏林堂健康セミナーで、子育てについてのトークイベントを行いました。0歳児から中学生まで、さまざまな年齢のお子さんを持つお母さんたちが参加してくれました。
さて、今回の講演テーマは「五歳(いつつ)のすくすく育つ子育て〜自分の頭で考える力を育む子育てとは〜」です。プロ棋士、そして3人の子どもを持つ母親として、私自身が子育ての中で感じたことをお伝えしたくてこのテーマを選びました。
私が普段子育てをする中で大切にしていることは、子どもたちが自発的に考える機会をできるだけ多く持つということです。
例えば、子どもたちはよく「なんでなんで??」っていう質問をしますが、この「なんで?」を大切にしてあげたり、特にやり方を指示せずに簡単なお手伝いを頼んだりします。そんなお話を、5つあげて「いつつシリーズ」でお話をさせていただきました。
講演会の後には、杏林堂の薬剤師さんや管理栄養士さん、杏林堂薬局の店舗運営責任者の方や森永乳業さんの方を交えてのパネルディスカッションッションが行われました。
考える力を育むために親として出来る事はどんな事があるか、5歳頃のお子さんの健やかな成長のために予防できる事や5歳頃のお子さんに今しておくと良い体験などを、ディスカッションをさせていただきました。
少しだけご紹介すると、薬剤師さんからは、子どもの緊急時の対応などのお話。管理栄養士さんからは「幼少期の子どもに心がけていただきたいこと」を5つあげてもらいました。店舗運営責任者の方は、子ども連れのお客様を想定した店舗作りやイベントなどをご紹介いただきました。店頭で注意している行動として「親御さんから離れてしまったお子様の行動」があげられていたのですが、こういうのって、店員さんが意識してくれていると、親としては安心ですよね。ついつい自分の買い物に夢中になってしまって、ということがあるもので・・(自戒をこめて)。森永乳業さんからは、チーズでカルシウムを取るために、「粉チーズをサラダなんかにササッとかけるだけでも違いますよ。」という工夫などを教えてくれました。
各分野専門家の方の見解を色々聴くことができ、目からウロコの話も多く、私自身とても勉強になりました。
今回の講演会について参加者のお母さんからたくさんのご意見・ご感想をいただきました。
アンケートでは、全体の9割以上の方に満足していただき、8割近くの方に「子どもに将棋をさせたい」と思ってもらえたようで大変嬉しかったです。
また、
「5歳の息子とこれから産まれてくる子がいます。子どものやることを見守ることが重要だというお話が印象的でした。頭の中ではここで口を出してはいけないと思いつつ、ついつい我慢できず自分でやってしまうことが良くあります。今後は、私の方もグッとこらえて見守るという習慣を身につけたいと思います。まさに、親子で共に成長ですね」
「私にも3歳になる息子がいます。子育てについて悩んでいるのは自分だけではないと知りとても心強く思いました。普段の生活の中では、なかなかお母さんどうしで子育ての悩みを共感する場面がないので、今日のような機会があってほうとうに良かったです」
という声もいただきました。
トークイベントを終えて
今回講演会をさせてもらって、1番心に残ったのは、ある一人のお母さんです。<そのお母さんは、質疑応答時にこのような質問をされました。
「幼稚園に通いだした息子に、つい厳しく接することが多くなりました。すると、ついこの間までは私を頼ってくれていたのに、最近では私に甘える代わりに指しゃぶりを始めました。そんな、息子の姿を見ていると、だんだん息子の気持ちが私から離れるようで不安でたまりません」
私も現在3人の子育て中ですが、自分の子育てに対して、未だに「これでよかったのか」と自問自答することがあります。しかし、どんなに思いつめても「これが正しい子育て法」といった答えは見つかりません。なので、子育てに悩みを抱えているのはみんな同じ。「一人で頑張りすぎないでください」って声をかけました。私は、子育てというのは、親が子どもを育てるという一歩通行なものではなく、親も子供に成長させてもらうという側面がたくさんあると思います。母親を頼らなくなったというのは、心が離れたということではなく、それは子どもがそれだけ成長したということで、子どもの成長の分、母親としての自分が成長した証じゃないかなと私は思うのです。
今回のイベントは、私にとっても普段聞けないお母さんの悩みや思いを知るいいきっかけになりました。
イベントの主催者である株式会社杏林堂薬局さまにこの場を借りてお礼申し上げます。
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