将棋を楽しむ 2016年6月9日
女性向け!日本伝統文化を扱ったオススメ漫画5つ
興味があってもどこか敷居が高く、なかなかとっつきにくいという人少なくないのではないでしょうか。
実際、知識や教養といった下地が何もないまま、舞台観覧などに行ってみても、「分からない」「つまらない」となるのが関の山です。私も学生時代に、学校行事で「文楽」の鑑賞をしたことがあるのですが、案の定、話の展開に全くついていけず、終始睡魔と戦い続けるという結果になりました、笑
日本文化を「楽しむ」というか、その奥深さを「じっくり味わう」為には、やっぱりその文化についての予習が必要なんだと私は思います。しかし、「学校を卒業してまで勉強したくない」とか「仕事でもないのに難しい本なんて読みたくない」というのが、ほとんどの方の正直な意見なのではないでしょうか。
そこで、そんな方たちにオススメしたいのが日本伝統文化の漫画です。
「しきたりが多そうで、どことなく堅苦しい」。
今回は、そんな日本伝統文化に対する私たちのイメージを180度変えてくれるような素敵な日本伝統文化の漫画作品をいつつ紹介したいと思います。
ちなみに、この記事をいま書いているのが女性の私なので、思いっきり女性目線、女性向きのラインナップです(男性読者の方、「悪しからず!」です。またおいおい「男性向け」もやりますね(;^_^))
1. 「3月のライオン」(白泉社)
株式会社いつつとして、やっぱりここは外せません!!笑
もうすぐ、アニメも実写版映画も公開される予定で、近年の将棋ブームを牽引してくれているといっても過言ではありませんよね。
実は私も、いつつの入社前からこの漫画のファンで、これまで将棋にあんまり興味を待ってこなかったのですが、改めて「将棋おもしろそうかも」って思うきっかけになりました。
「3月のライオン」。の見どころは何と言っても、主役の桐山くんをはじめとした登場人物(特に棋士たち)のかっこよさではないでしょうか。作中では、顔のかっこいいイケメン棋士も出てくるのですが、ここでいう「かっこいい」は棋士の顔にではなく、「生き様」に対してです。
実際の将棋の対局シーンをニコニコ動画などで見てみると、ほとんど動きがなく、ただ二人が黙々と指しているような印象です。しかし、「寡黙に」というのは大間違い。一見無言に見えても、心や頭の中ではめっちゃ色んなことしゃべっているんですね。
この漫画で描かれる対局では、駒を指す1手1手に、細かい心理描写が映し出されます。しかもそれは、勝利への執念だったり、将棋や自分のまわりにいる人への強い気持ちだったりと、やりとりの全てがとても情熱的です。
あの緊張感溢れる静かな空間の中で、二人の人間が自分の人生をかけた戦いをしているのかと思うと、作品を読んでるこちら側も胸が熱くなりますよね。「やっぱり本物のプロ棋士は覚悟が違うんだなぁ」と思わずにはいられません。
2. 「ぴんとこな」(小学館)
こちらは歌舞伎に関するお話です。
「ぴんとこな」とは、歌舞伎用語で男らしく芯のある二枚目役を指します。作中には主人公の河村恭之助(名門木嶋屋の御曹司)と門閥外(歌舞伎の家の出身(血縁・家柄)ではない)の澤山一弥の二人が出てくるのですが、芸の道や一人の女の子に一筋なこの二人の姿がなんとも「ぴんとこな」です。
ストリーとしては高校生の恋愛模様が中心ですが、作品冒頭の登場人物紹介のページに歌舞伎用語の解説があったり、作中に出てくる演技のシーンも全て現代語で描かれているので、歌舞伎素人でも、すっと演目のあらすじが頭に入ってくるようになっています。
「あの場面で恭之助や一弥が演じていた役は実際に見るとどんな感じなんだろう?」そう思いながら実際に歌舞伎鑑賞にいくとさらに楽しそうですよね。
3. 「昭和元禄 落語心中」(講談社レディース)
作品名からすぐに想像つくと思いますが、落語のお話です。
本作品の主人公は有楽亭八雲、現役最強の大名人です。あらすじは、この八雲と彼の同門であり、かつては八雲と肩を並べるほど人気を誇っていた伝説の名人、故・有楽亭助六をめぐる昔ばなしとなっています。
本編の落語ならではの粋な世界観もさることながら、この漫画では、番外編に出てくる落語の豆知識のようなものに思わず「へぇ〜」って頷きたくなります。例えば3巻では、関東落語のお膝元ともいえる浅草演芸ホールについての情報が詳しく掲載されています。全席自由とか、高座の裏の壁には落書きがいっぱいとか、毎日当日券で入れるなどなど。
これまで、なかなか足を運びづらかった寄席との距離も、ぐっと縮まりますよね。
4. 「月影ベイベ」(フラワーコミックス)
こちらはのテーマは「おわら」。
「え、おわらって何?」と思った方もたくさんいるんではないでしょうか?
ということで、早速グーグルで検索してみたのですが、おわらとは、日本の盆踊りの中でも、特に富山県八尾に根付くものを指すようです。編笠をかぶった踊り手が、独特の節回しの唄や、三味線や胡弓といった楽器の音色に合わせて舞うのが特徴で、毎年9月初旬に開催される「風の盆」などの様子をユーチューブで見てみると、美しい所作や、浴衣などの衣装、日本の伝統的な楽器から奏られるゆったりとした旋律のが、とても幻想的でした。
さて漫画の話に戻りますが、この漫画では「これでもかっ!」っていうくらい八尾の人の「おわら愛」が描かれています。
八尾の町の人は、老若男女問わずおわらに情熱を注ぎ、「おわら」を通じて世代間、もしくは違う町内のものどうしコミュニケーションを図っています。将棋もそうなのですが、日本伝統文化のいいところの1つは、こうしたコミュニケーションツールとしての働き。小さなうちから触れておくことで、よりいっそう仲間どうしの絆も強くなり、それが自分にとってなくてはならないアイデンティティーのようなものとして形成されていきます。
江戸時代から始まったとされる「おわら」が今なお継承されている理由が、この漫画からは汲み取ることができます。そして、この「おわら愛」が下の世代に受け継がれていく限り、日本伝統文化としての「おわら」がなくなることはないだろうと思います。
5. 「ましろのおと」(講談社)
タイトルにある「おと」からも連想できるのですが、こちらは日本伝統の楽器、「津軽三味線」についてのお話です。
ストーリー展開としては、伝説の三味線奏者である沢村松吾郎の孫である雪が松吾郎の死をきっかけに目標を失い、なんとなく上京するも、高校生活でいろんな仲間やライバルと触れ合ううちに、自分の演奏、自分の音を見つけていくというもの。
漫画なので、登場人物が奏でる「魂を揺さぶるような三味線の音」を生で感じることはできないのですが、日本の伝統的な楽器である三味線が、ギターやベースとなどメジャーな弦楽器に負けないくらいかっこいい代物だというのが良くわかります。
私たち世代だと津軽三味線といえば真っ先に吉田兄弟が浮かんでくるのですが、彼らの演奏は現代風の曲にもよく合いますよね。ギターが弦六本、ピックと同時に自分の指を使って弦をかき鳴らすこともあるのに比べて、三味線は弦三本に指を使わず撥だけで演奏します。このシンプルなつくりでいてギターにも負けない重厚感のある音、まさに「クール・ジャパン」だと思います。
今回は、5つだけの紹介でしたが、他にも競技カルタを扱った「ちはやふる」など、日本伝統文化を取り扱った漫画はたくさんあります。もし、日本の伝統文化に興味を持ったけれど、どこから手をつけていいのか分からないという方がいたら、まずこれらの漫画を手にとってみてください。きっと日本伝統文化を楽しむためのヒントがそこに隠れていると思います。
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