株式会社いつつ

将棋を楽しむ 2017年10月13日

一人より二人〜ペア将棋の魅力5つ〜

金本 奈絵

みなさんペア将棋ってご存知ですか?

ペア将棋とは、二人一組、計4人で指す将棋のことで、自分が指したら、相手のチームのうちの一人が指し、その後自分の相方が指し、そして相手チームのもう一人が指すというルーティンを繰り返しながら対局を進める将棋のことです。特に公式ルールがあるわけではないのですが、対局の途中に3分程度の相談タイムなんかもあったりして、まるで卓球のダブルスみたいですよね( ´ ▽ ` )ノただ、将棋なので、もちろん対局中は助言はNGです(^_^;)

そこで、今回のいつつブログでは、ペア将棋の魅力についていくつかお話ししたいと思います。

本来将棋は1対1で対決するものですが、根を詰めて没頭しすぎると、疲れてしまうこともありますよね。たまにはペア将棋のような変則ルールを適応することで、将棋の思考を継続しつつも、息抜きやリフレッシュになればいいなぁと思います(^^)

1.一人じゃないから心強い

ひとりより二人で心強い
ひとりより二人で心強い

社会人になってつくづく感じることなのですが、どんなに困ったことが起きても誰にも相談できない環境というのは、とても心細いものです。とりあえず、何かしなきゃとは思うわけですが、「もし間違ったことをしてしっまったらどうしよう」とか「そもそも何をどうしていいのか分からない」など、不安な気持ちが次々溢れてきて、結局時間ばかりが経過して、ほとんど何もできていないということもしばしば。

なので、一局という長い戦いを、全て自分一人で考え抜き、そして勝っても負けても、その責任を全て自分一人で受け止めるという将棋の世界は、本当にすごいなぁと思います。

私が一人で将棋を指すとき、小心者なので「失敗すると嫌だなぁ」という思いからついつい長考してしまいます。そして、将棋初心者の方の中には、私のこの不安な気持ちに共感してくれる人がたくさんいるんじゃないかなぁと思います、笑

実は私がペア将棋の存在を知ったのは、将棋マンガ「マサルの一手!」(小学館)の2巻だったのですが、将棋の世界にもこんなにありがたい制度があったのかぁと感動しました、笑

助言NGと言うことに変わりはないのですが、相談タイム(公式ルールではないですが)があったり、何より相方の胸を借りることができてこれほど心強いことはないですよね。これなら、失敗しても何とかなりそうなので、気負わず思い切って指すことができそうです(^^)

2.新しい発見がある

自分より棋力の高い人の思考回路を共有できる
自分より棋力の高い人の思考回路を共有できる

個人的な意見ではありますが、ペア将棋は同等のレベルの者どうしで組むよりも、ペア間で棋力の差があった方がおもしろいように思います。なぜなら、そうすることで、同じチームの双方に新しい発見があるからです。

将棋では、当然ながら相手の出方をうかがいながら自分の指し手を考えるわけですが、ペア将棋の場合は、さらにそこに「相方の頭の中を読む」とういう作業が加わります。

下手側にとって、「相方の頭の中を読む」ということは、すなわち自分より強い人の思考回路を共有することになり、それは、棋力向上の側面から考えてもとても効果的であると言えます。

例えば、「何をしていいのか分からない」という人の場合、一人で指していると無数の選択肢の中からどれが最善手か探ろうと思考が分散しがちになりますが、ペア将棋だと「なぜ相方は銀を指したのか?」などと、ぐっと思考のフォーカスを絞ることができます。なので、こうして下手側が「相方の頭の中を読む」ということを繰り返していくうちに、きっと「強い将棋」のとっかかりのを見つけることができるのではないかと思います。

また、上手側からしてみても、ペア将棋をしていると必ずどこかのタイミングでいつもとは違う指し方をしなければならない場面が出てくると思います。というのも、例えば自分ではもう詰みの局面だと分かっていても、それが相方に伝わらなければ、相方は相手を詰みに行くのは愚か、悪手を選択してしまう可能性さえあります。そのため、相方の棋力にもよりますが、詰みより王手や必死を目指した方が最善手になるかもしれません。

こうしていつもと違う思考回路を辿ってみるというのは、「こんな指し方もあるのね」と、上手側にとっても新しい発見があり、自身の将棋の幅を広げるきっかけになるように思います。

3.「想定外」のおもしろさ

感想戦で相方の意外な指し手の意味が分かるとさらに楽しい
感想戦で相方の意外な指し手の意味が分かるとさらに楽しい

将棋は原則、最初の「お願いします」から最後の「ありがとうございます」まで、一人で行うゲームです。そのため、初手から相手の玉を詰ますまでの一連の流れの中で、自分の将棋に「想定外」が起きることはありません(もちろん、相手の指し方にびっくりするということはありますが、(^_^;))。

しかしながら、ペア将棋の場合は、自分の将棋の中にも「驚き」がいっぱいあります。というのも、相方が想定外の指し方をするので、それに合わせて自分の指し方もその都度変えていくということがしょっちゅうです。

もしかすると、中には「狙い通りに指してくれないと困る」とイライラしちゃう人もいるかもしれませんが、ペア将棋の場合は、棋力の高い低いにかかわらず、「ペアが次はどんな手を指してくれるかな、ドキドキ」とか「お!そんな風に指すんだ。予想以上に攻めの棋風なんだなぁ。では私はどのようにこの攻めを活かそうか」など、「想定外」に遭遇することを楽しんでしまった方が正解です。

なぜなら、ペア将棋ほど、気軽に普段とは違う思考回路の将棋を指すチャンスは滅多にないですからね(^^)

また、ペア将棋では、感想戦がとても楽しいです。対局中には意外過ぎて理解できなかった相方の指し手について、改めて説明を受けると、「なるほど〜」と目から鱗な感じがします( ´ ▽ ` )

4.一発逆転のチャンスがある

ペア将棋なら厳しい局面からの逆転も大いにありうる
ペア将棋なら厳しい局面からの逆転も大いにありうる

通常の対局の場合、1度形勢が悪くなってしまうと、なかなか挽回することができません。しかし、ペア将棋の場合だと、どんなに不利な状況であったとしても、そこから一発逆転できる可能性がぐんと高くなります。なぜなら、将棋に限らずなんでもそうなのですが、二人で行う競技というのは、ペアどうしの阿吽の呼吸が必要になるからです。

少し極端な例えになりますが、もし相手側の片方の人が詰みをかけていたとしても、もう一人がそれを読み切れず、悪手を繰り返せば、十分勝ち目がありますよね(^^)

5.格上の相手にも勝てる

姉妹の阿吽の呼吸でペア将棋
姉妹の阿吽の呼吸でペア将棋

4番と少し内容が重なってしまうのですが、ペア将棋はお互いの阿吽の呼吸が重要になるからこそ、たとえ相手二人の棋力が自分より格上であったとしても、足並みの揃っていないペアであれば勝つことができます。

弊社代表の中倉も、姉妹で棋士をしているのですが、幼い頃からずっとお互いの将棋を見てきただけあって、「妹と組むペア将棋は結構強いのよ」と話していました。

自分一人の場合だと、格上の相手に勝つなんて大番狂わせは滅多に起きないですが、それを体験できるというのもペア将棋の醍醐味でもあります( ´ ▽ ` )ノ

さて、今回のいつつブログでは、ペア将棋の面白さについてお話ししてみましたがいかがでしたでしょうか。一人で挑む将棋も楽しいですが、是非たまには、家族や将棋教室・道場のみんなで楽しめるペア将棋をしてみてください( ^ ^ )/

ペア将棋をしたくなったら、子ども向けの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸の将棋屋さんいつつまで

この記事の執筆者金本 奈絵

株式会社いつつ広報宣伝部所属。住宅系専門紙の編集記者を経て現在に至る。

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