子育て 2016年7月21日
読書好きになるために!読書感想文にオススメの絵本5つ(小学校低学年編)
待ちに待った夏休み。
海や山へ行ったり、スイカを食べたり、楽しいことが盛りだくさんですよね。
しかし子どもにとって、夏休みは楽しいことばかりではありません。人生楽あれば苦あり、小学生にもなると「夏休みの宿題」をしなければなりませんよね(^_^;)
そしてたくさんある宿題の中で、子どもたちが最後までやらずに残してしまうものの定番が読書感想文です。
ちなみに、私自身わりと読書が好きだったので、最後まで読書感想文を残すということはなかったのですが、同じクラスの中に一人は提出日当日の朝に本の一番後ろにあるあとがきをせっせと写している子がいましたよね、笑
しかし、いち読書好きとして、せっかくたっぷり時間のある夏休みに、本を1冊も読まないというのは非常にもったいないような気がします。
そこで今回のいつつブログでは、夏休みに嫌々読書感想文を書くのではなく、読書感想文を書くという機会を利用して、読書好きになれちゃいそうな絵本を紹介したいと思います。
ですので、読書感想文の書きやすさというよりも、個人的に「読書嫌いでも読みやすくて、内容も面白い」というものをチョイスしました。
1.「どろぼうがっこう だいうんどうかい」(偕成社)
この絵本は、「どろぼうがっこう」「どろぼうがっこう ぜんいんだつごく」とともに「どろぼうがっこうシリーズ」のひとつです。
泥棒といえば、一般的に世の嫌われものなのですが、ここ、どろぼうがっこうのどろぼうはどうやら世間の泥棒とは事情が異なるようです。
なぜか運動会にはたくさんの村人たちが訪れ、どろぼうであるくまさかこうちょうや生徒たちと大いに盛り上がっています。
しかしこの絵本を読むと、このどろぼうたちが村人みんなに愛される理由がよく分かります。
まず第1に面白い、笑。
運動会の種目ですが、ドル箱をリレー形式で運ぶ「ドルばこリレー」や本物のお札が混じっていないニセ札の札束を見つけ出す「ニセさつわたし」、泥棒が警察を捕まえるという「ぎゃくどろけい」、とじまりしてないうれしいな♪などの歌詞が入った「あきすおんど」と、「物騒」や「けしからん」を通り越してもはやクリエイティブに思えてきます。
しかも、どろぼうのくせにニセ札と本物のお札の見分けが全くつかなかったり、マイクテストのテスト文句が変だったりと、絶妙な間の抜け具合が憎めません。
そして、くまさかこうちょうをはじめ、ここのどろぼうたちはみんな優しい。
話の途中で、どろぼうがっこうの生徒がまさかの泥棒に遭うというシーンがあるのですが、そこでどろぼうがっこうのみんなは、犯人のアレ・カッポネくんを責め立てるのではなく、「なかなかてぎわがよろしいですな」と褒めた上に「このがっこうにいらっしゃい」と仲間として受け入れます。
私だったらアレ・カッポネくんにカンカンになりますが、なんとも心の広いどろぼうたちでしょうか。
2.うそなき(ポプラ社)
いつつらしく日本の伝統文化にまつわる絵本をひとつチョイスしてみました。この絵本は日本の伝統芸能、狂言の演目「墨塗」を分かりやすくアレンジしたものです。
もともと狂言は、猿楽の中から滑稽的な部分を洗練させたものと言われていますが、流石といいますか、「喜劇の聖地」大阪の出身の私も思わず太鼓判を押したくなるようなよくできた話の構成でした。
物語のストーリーは、地方出身の大名が都から地元へ帰還することが決まり、都でつくったおんなに別れを告げに行くというもの。
最初のうちは、この大名に対して「勝手なやつ」とか、おんなに対して「かわいそう」とか思うわけですが、実はこのおんな、大名以上の曲者で、なんと大名を引き止めるために湯飲み茶わんの水を使って嘘泣きをし出します。
嘘泣きに気づいた大名の側近太郎冠者は、大名にそのことを訴えるも信じてもらえず、こっそり湯飲み茶わんの中身を墨入りのものに変えてしまいます。
すると、おんなはそのことに気づかず、墨入りの水をペチョペチョ顔に塗りたくってしまい、しまいには顔が真っ黒になってしまいました。
この段階でも十分話のオチとしては成り立っているのですが、話はここでもう1転します。
太郎冠者の悪事に気付いた愛人は、その後怒り狂って、太郎冠者の顔にも大名の顔にも墨を塗りたくってしまいます。
最終的には、大名と太郎冠者の二人は自分の顔のことも忘れて大笑い、おんなの目はますます怒りに任せてつり上がっていくというドタバタ劇になります。
話のテンポの良さや高度な二段落ち、怒涛の終盤と文句なしに子どもたちの好きな絵本だと思います。
こんなに面白いなら、本物の狂言も一度見て見たいですよね(^ ^)
3.ぼくの兄ちゃん(PHP研究所)
この絵本を無理やりカテゴライズするとしたら「ギャグ絵本」です。
今回、オススメの絵本を選ぶために一人図書館にこもっていたのですが、この本を開いた瞬間思わず「ぷっ」となっちゃいました、笑
どうしても、絵本を選ぶときって「何か学びのあるものを」と考えがちなのですが、この「ぼくの兄ちゃん」のように何も考えずに笑えるということも、読書を好きになるにはいいきっかけになると思います。
それにしてもこの絵本、登場人物のキャラ設定、絵のインパクト何をとっても濃すぎる1冊となっております。
4.「いつもちこくのおとこのこ-ジョン・パトリック・マクヘネシー」(あかね書房)
この物語の主人公ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーはとっても不運な男の子です。ある日、学校へ行こうとするとマンホールから突然現れたワニに襲われ、また別の日には茂みに隠れたライオンにや人をさらうくらいの高潮に襲われます。
そして、このジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは不運に遭遇するたびに学校に遅刻して、事情を説明するも意地悪な先生には信じてもらえず、いつも「うそをつきません」と300回書きなさいとか、400回大きな声で唱えなさいなどと怒られてしまいます。
そんなある日のこと、珍しくジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーは何事もなく学校へ到着します。すると今度は、先生がゴリラに襲われていました。
この時、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーがとった行動とは、、、
見事、かつ鮮やかなスルーです、笑
ゴリラに襲われる先生に見向きもしません。
子ども向きの絵本だと、ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーがゴリラから先生を救い出し、先生がこれまで自分がしてきた間違いに気づいてジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーに謝るみたいな展開になりそうなものですが、私は彼の行動に賛成です。
だって先生は無視されても「自業自得」、その方が読んでる方も「スカッと」しませんか、笑?
5.あさの絵本(アリス館)
この絵本は写真家の吉村和敏さんが撮影した朝の風景の写真に作家の谷川俊太郎さんが詩をつけたものです。
個人的に谷川さんの詩の世界観が好きなので選んでみました。
さてこの絵本ですが、これは読むのではなく感じる絵本なのだと思います。
ページを繰るたびにまず目に飛び込むんでくるのが美しい朝の写真です。一般の絵本の挿絵と写真とでは、どっちがいい悪いではなく子どもたちが感じとるものは別のものなんじゃないかなぁと思います。
そして、この絵本に描かれる文章も、どのページも見開きでたった2・3行、ひらがなばかりで構成される本当に短いものばかりです。しかもストーリー仕立てではなく、それぞれの言葉が単独でぽかんと宙に浮いているような感じです。
しかし、谷川さんの詩を読んでいていつも思うのですが、谷川さんの紡ぐ言葉たちは、シンプルながらに多くのものが含まれているような気がします。
それは、言葉が暗に示す意味的にといったものではなく、私の心の中で感じるものとしてということです。谷川さんの言葉を読むとなぜか胸がいっぱいになります。
今回はこの絵本を小学校低学年むきにオススメしましたが、ママやパパ、大人にもいいんじゃないかなぁと思います。
また、使われている写真が本当に綺麗なので、大切な1冊の写真集として持っているのもありかと思います(^ ^)
さて、今回は私好みの素敵な絵本を5つ紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?もしかしたら、「こんなんで読書感想文書けない」という意見もあるかもしれません。
でもやっぱり読書することの目的が読書感想文を書くことになってしまっては寂しいような気がします。
本を読むのは素敵なことです。
せっかくの夏休み、子どもたちと一緒にママ・パパもたくさん本を読んでみてください(^ ^)
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