将棋を学ぶ 2024年12月24日
【初心者〜初級者向け】飛・角の上手な使い方「両取り・二段ロケット・一間龍・遠見の角」を覚えよう!
飛・角の特徴
「飛」と「角」は大駒と呼ばれ、将棋の駒の中でも動けるマスの多い駒です。将棋を覚えたばかりの方は、まずこの「飛」と「角」を動かしたくなるものです。
ですが、「飛」と「角」だけでは意外と攻められないので、周りの駒でうまくサポートすることが大切です。「飛」「角」の力を発揮するための良い形や周りの駒の使い方を覚えてみてください。
(注)図面は分かりやすくするため駒を省力して配置しています。相手の持駒に記載がないものは持駒なしです。
目次
両取り(十字飛車)
「両取り」とは、1つの駒で相手の2つの駒が同時に取れる状態になっていることです。飛・角以外でも両取りをかけることができます。
飛を縦と横の両方に利かせることや縦と横の利きで両取りをかけることを「十字飛車」といいます。
両取りのかけ方
駒を狙うときは、①紐のついていない駒(取ったときに取り返されない駒)を探しましょう。(飛角以外で両取りをかける場合は、価値の高い駒との交換でも良いです。)また、歩は価値の低い駒なので両取りではあまり狙いません。②次に自分の駒の利きに2つの駒が入る位置を探します。飛角は遠くの駒を狙うことができるので、盤面を広く見ることが大切です。
練習問題①
相手の駒の利きに気をつけながら、飛と角それぞれの駒で両取りがかかるマスを探してみてください。(歩は両取りにしません。)
練習問題①の答え
飛は2一、2二、9一、角は2二、9三へ打つと両取りがかかります。☗2一飛は銀・香、☗2二飛は玉・銀、☗9一飛は金・香、☗2二角は飛・香、☗9三角は飛・金の両取りです。(☗8四飛や☗4五角は歩を狙っているので今回は正解ではありません。)
☗5七角は飛・銀の両取りですが、☖2六飛と逃げられると銀を取ったときに角を飛に取り返されてしまうので両取りとしては失敗です。
両取りのポイント
都合の良い局面ではないときは、両取りがかかるように相手の駒を動かしましょう。このときに、飛角以外の駒をうまく使うことが必要です。
途中、☗3三歩成に金が逃げればと金ができるので満足です。このように、そのままでは両取りがかからないときは、相手の駒がどこにくれば両取りがかかるかを考えて周りの駒を使ってみましょう。
練習問題②
そのままでは両取りのかからない局面から両取りをかける練習をしてみましょう。
練習問題②の答え
☗3二歩 が正解です。☖同玉や☖4二玉なら☗6二飛が王手馬取り、☖同金なら☗6一飛が王手馬取り、☖2二玉なら☗6一飛が馬・金の両取りです。
☗2五飛 は☖5六馬と逃げられると2三のマスを守られてしまうので失敗です。
二段ロケット
飛と香の2枚を縦に並べる攻めの形を「二段ロケット」と呼びます。単純ですが破壊力のある攻め方です。飛・香・香のように3枚並べると「三段ロケット」というように枚数に合わせて名前が変化します。
二段ロケットを活かした戦法では、「雀刺し」があります。雀刺しは端を二段ロケットの他に角と桂で狙うことで相手の守りを突破しようという攻め方です。(銀を使うこともあります)
二段ロケットの作り方
二段ロケットは、端にいる香を1つ上がりその下へ飛を持ってくることで簡単に作れます。他にも、香を手持ちにしたら飛の上に打ちロケットを作ることができます。
練習問題③
飛と香を並べて二段ロケットを作ってみましょう。作った後のことを考えて攻めやすい筋を狙ってください。
練習問題③の答え
☗9九飛 が正解です。次に☗9四歩☖同歩☗同香と9筋から突破を目指す攻めがありますが、後手は分かっていても受けることができません。
☗1九飛でも二段ロケットはできますが、☖2三玉と上がられると1筋の守りが2枚になり二段ロケットを発射させても突破できません。
一間龍
相手玉から縦や横に1マス開けて自分の龍がいる状態(もしくは自分の玉から縦や横に1マス開けて相手の龍がいる状態)を「一間龍」といいます。龍という強力な駒が玉の近くにいるこの状態は、玉を寄せやすい形として終盤によく出てきます。
一間龍の作り方
一間龍は飛車が玉の近くで成って作る場合と、龍を近づけて作る場合があります。飛車を一間龍にするのはチャンスがないとできないので、最初は龍を近づけて一間龍を作ることを目指してみましょう。
一間龍のポイント
ただ一間龍を作っただけでは、相手に守られたときに攻めが続きません。金駒を持っていると相手に守られた後も龍を動かさずに攻められる場合があります。特に相手の玉と龍の間の斜めのマスが空いていればチャンスです。一間龍の形を覚えたら続きの攻めの形も覚えましょう。
練習問題④
一間龍を作って相手玉を寄せる練習をしましょう。一間龍を作った後の攻めも考えてみてください。
練習問題④の答え
☗3三龍 が正解です。以下、☖2一玉と逃げれば☗2二金まで、☖3二金には☗4二金☖2一玉☗3二龍☖1一玉☗1二金まで。(☖3二金に☗2二金〜☗3二龍〜☗5二金の順もあります。)縦の一間龍の場合も守られたら玉のこびん(斜め)に金を打ち攻め続けましょう。
☗1一龍も一間龍ですが、☖4二玉と上部へ逃げられて捕まりません。玉は逃さないように寄せることが大切です。
遠見の角
最後は角の使い方です。角は天王山(5五のマス)にいると一番動けるマスが多いため働きが良いと言われます。その他に出てくる良い使い方として「遠見の角」があります。「遠見の角」というのは、自陣など遠くから敵陣を狙うように打つ角のことです。「遠見の角に好手あり」という格言がある通り、自陣近くから打つことで受けにも利かしながら敵陣を攻めることができるため、働きの良い角の使い方といえます。
遠見の角の打ち方
敵陣に角に弱い形(斜めに弱点)があるときに使いましょう。また、敵陣に打つよりも自陣近くから打った方が良い場合や敵陣には打てない場合に、自陣や自陣の近くで打つ場所を探します。初形で動ける偶数の列だけでなく奇数の列から打つこともあるため、盤面を広く見て普段見慣れないところから打つことも考えてみましょう。
練習問題⑤
遠見の角を打つ練習問題です。
練習問題⑤の答え
☗9八角が正解です。(6五角、7六角、8七角も同じ狙いですので、状況に応じて使い分けてください。)銀が逃げれば2一の飛が取れます。☖5二金や☖5三金などで銀に紐をつける手には☗4三角成☖同金に☗3二銀で両取りをかけて二枚換え(1枚の駒と2枚の駒を交換すること、今回は角と金(飛)・銀の交換)ができるので攻め成功です。
☗1六角と打つと☖5四銀と逃げられたときに続きの攻めがなく失敗です。
終わりに
今回は「飛」と「角」の使い方を紹介しました。駒の良い使い方は将棋の言葉や格言と共に覚えると覚えやすいかと思います。使い方に悩んだときはこれらの言葉や格言を思い出してみてください。
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