株式会社いつつ

将棋を教える 将棋を学ぶ 2017年7月11日

【将棋に詳しくないママ必見】将棋のルールを知らなくてもできる子どもたちのサポート

中倉 彰子

藤井聡太四段の大活躍などにより、いま将棋教室に通う子どもたちが増えているというニュースをよく耳にします。

ママとしては、子どもたちに、「せっかく始めた将棋をがんばってほしい」「将棋をするなら、全力で応援したい」という気持ちでいっぱいかと思うのですが、ママにとって、将棋というのはあまり馴染みがない縁遠いもの。どのようにサポートをしてよいかわからない、という方もいらっしゃると思います。

そこで今回のいつつブログでは、将棋のルールがあまり分からないというママでもできる、子どもたちのサポートについていくつか紹介していきます。

1.問題を出してあげる

女流棋士も小さい頃はママから将棋の問題を出してもらったようです。
女流棋士も小さい頃はママから将棋の問題を出してもらったようです。

今年の4月から、いつつブログで女流棋士の方に、リレー方式で「将棋と私のお母さん」をテーマにした連載を書いてもらっているのでですが、その中でよく出てくるのが、「問題を出してもらった」というものです。

一概に将棋の問題といっても、「この駒の動かし方は?」というものもあれば、「美濃囲いを作ってみよう」というものまで、バリエーションも難易度も様々にあるのですが、私がおすすめする、ママが子どもたちに出しやすい問題は詰将棋です。

ある程度大きな書店に行けば、将棋のテキストとともに詰将棋の本も販売されているかと思います。

※詰将棋の詳しい説明についてはコチラをご参照ください。

出題の仕方としては、詰将棋本に出されている盤面を、実際の将棋盤の上に再現してあげたり、新聞や雑誌などにも掲載されているのでそれらを切り抜いてあげるといいかと思います。ちなみに、中倉家の場合は、母ではなく父がしていたのですが、「1日1題詰将棋」といって、毎日学校から戻ると、部屋の柱に詰将棋の問題が貼り付けてあり、それを解かないと遊びに行けないというルールがありました。 もちろん、そこまでする必要はないのですが、ママから問題を出してもらうということが、子どもたちにとって嬉しいのではないかと思います。

また、「詰将棋なんて私できない」と思われるかもしれませんが、テキスト、新聞、雑誌なら、大抵解き方の解説があるので、将棋にそんなに詳しくなくても安心です。

あと、子どもたちに出してあげる将棋の問題として、いつつの将棋パズルもオススメです。

2.ごほうびをあげる

シールやハンコのご褒美は子どもたちのやる気スイッチ
シールやハンコのご褒美は子どもたちのやる気スイッチ

いつつの初心者向け将棋テキスト「はじめての将棋手引帖」では、子どもたちが問題を解くページは必ず採点するようになっています。というのも、こどもたちは褒められることが大好き。問題ページで100点満点を取ったら、褒めるきっかけになりますよね。

また、子どもたちが100点満点を採ったとき、「がんばったね」「よくできたね」と言ってもらえるだけでも、とても嬉しいのですが、そこに「よくできました」のハンコや何かのシールを貼ってあげると、ご褒美のような気がして、子どもたちはさらに嬉しくなります。思い起こせば、私たち親世代も小学校や幼稚園に通っていた頃、地域のラジオ体操に参加したり、リコーダーのテストに合格した時に先生からスタンプやシールをもらえるととても嬉しくなって「よし、明日も早起きして参加するゾ!」とか「もっと練習するゾ!」とモチベーションが上がりました。

ほんの些細なことですが、「頑張ったね」「よくできたね」という言葉や、シールやスタンプといったご褒美は子どもたちにとってのやる気スイッチなのかもしれませんね。

3. 将棋の本を読んであげる

書籍で将棋を勉強するとき、漢字で書かれたものも多いので、ママが読んであげるといいです。
書籍で将棋を勉強するとき、漢字で書かれたものも多いので、ママが読んであげるといいです。

子どもが将棋の駒の動かし方と将棋のルールを覚えた後、もっと将棋を楽しみたいと思った時に行き着くのが、将棋教室であったり将棋書籍になるのではないかと思います。将棋教室には、将棋のできる先生がいるので大丈夫として、将棋書籍を一人で読むとなると、少し難しいことがあるかもしれません。

というのも、書籍の内容そのものが難解ということもありえますが、将棋書籍で子どもたちのハードルとなるのは、漢字や文字数の多さです。もちろん、書籍によっては子どもが読むことを想定して、漢字にルビがふってあったり、イラストや漫画を多用して、子どもが理解しやすいように工夫されているものも多数あるのですが、それでも子どもの年齢によっては難しいかもしれません。

そこで、ママの登場です。確かにママは将棋にあまり詳しくないかもしれませんが、本を読むことならできますよね。

子どもたちがまだ小さかった頃によく絵本を読んであげたことを思い出しつつ、将棋の書籍を読んであげるというのはいかがでしょうか?

4. 負けてしまったときはそっと見守る

実力の世界だからこそ、負けるととっても悔しい将棋。
実力の世界だからこそ、負けるととっても悔しい将棋。

将棋というのは「助言なし」「完全情報公開制」のゲームです。そのため、手番がまわってくるたびに、自分一人の頭の中であれこれ考えを巡らせ、自分で結論を出す必要があり、子どもには少し厳しいのかもしれませんが、対局の勝敗を左右するのは、「運」ではなく「実力」になります。

そのため、将棋で負けるというのは、言い訳もできないので子どもたちにとってすごく悔しいことなのです。

親としてはついつい心配になって「気分が乗らなかった?おなかすいてた?」とかいろいろわけとか聞こうとしてしまうのですが、こんなときは、声をかけすぎるよりもそっとしておいたほうかいいのかなと思います。もしかすると、子どもが「ママが観てたからだよ!」(観ててって言ったのにー)みたいな、八つ当たりもあるかもしれませんが、そこは「悔しくてしょうがないんなだー」と大らかな感じで見守って上げられるといいのかなと思います。

5.思い出をいっぱいつくってあげる

将棋の思い出は子どもたちの一生の思い出
将棋の思い出は子どもたちの一生の思い出

これは、将棋の先生ではなくママやパパだからこそできるサポートだと思います。

例えば、子どもたちが子ども将棋大会に参加した時の様子を写真に撮ってアルバムをつくってあげたり、同じく将棋が好きだというお友達を集めて将棋サークルをつくってあげたり、夏休みなど長期休暇を利用して将棋イベントに連れて行ってあげるなどするといいかと思います。

将棋は、4でも話したように、とても悔しい思いをするゲームなのですが、その悔しさも含めてとても楽しいゲームなのです。

パパやママと一緒にイベントなどに参加したこと、対局で負けて悔し涙を流したこと、大会で自分より大きな相手に勝ってとても嬉しかったこと、その全てが子どもたちにとって一生の宝物になるんじゃないかなぁと思います。

さて、本日は、将棋に詳しくないママでもできる将棋のサポートにつについてお話ししましたがいかがでしたでしょうか。

確かに子どもたちに「将棋一緒にやろう」と誘われたり、「将棋教えて」とたずねられた時、上手く子どもたちの相手をしてあげられなかったり、答えられなかったりすると、ママとして、少し後ろめたい気持ちになるかもしれませんが、こうして見てみると、将棋についてあまり詳しくなくても、出来るサポートって意外にいっぱいあると思いませんか。

ママや子どもたちが将棋に興味を持ったら、神戸の将棋屋さんいつつまで。

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はじめての将棋手引帖1巻

0から将棋を学べる超初心者向けテキスト

1,650円(税込)

商品番号:126776158

この記事の執筆者中倉 彰子

中倉彰子 女流棋士。 6歳の頃に父に将棋を教わり始める。女流アマ名人戦連覇後、堀口弘治七段門下へ入門。高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。2年後妹の中倉宏美も女流棋士になり初の姉妹女流棋士となる。NHK杯将棋トーナメントなど、テレビ番組の司会や聞き手、イベントなどでも活躍。私生活では3児の母親でもあり、東京新聞中日新聞にて「子育て日記」リレーエッセイを2018年まで執筆。2015年10月株式会社いつつを設立。子ども将棋教室のプロデュース・親子向け将棋イベントの開催、各地で講演活動など幅広く活動する。将棋入門ドリル「はじめての将棋手引帖5巻シリーズ」を制作。将棋の絵本「しょうぎのくにのだいぼうけん(講談社)」や「脳がぐんぐん成長する将棋パズル(総合法令出版)」「はじめての将棋ナビ(講談社)」(2019年5月発売予定)を出版。

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