将棋を学ぶ 2017年7月5日
はじめて将棋に触れる子どもたちへ 将棋駒の動かし方の覚え方
将棋にはじめて触れるというお子さんにとって、将棋を指す上で、最初のハードルとなるのが、将棋駒の動かし方ではないでしょうか。
小学校中学年くらいにもなると、ある程度漢字も読めるようになり、比較的すんなり将棋駒の動かし方を覚えられるようになるかもしれませんが、まだひらがなもおぼつかない幼稚園や小学校に入学したばかりの小さな子どもたちにとって、漢字で書かれた8種類の将棋駒をそれぞれ識別し、しかも、その全てが違う動きをするとなると、「将棋難しい!」となっても仕方ないですよね(ー ー;)
そこで、はじめて将棋に触れるお子さんに、わかりやすく教える工夫についての記事でも詳しく説明していますが、今回のいつつブログでは、まだ幼い頃に父が私に将棋駒の動かし方を教えてくれた方法や、私が大人になって女流棋士として子ども将棋教室などで実践している方法についてお話ししたいと思います(^ ^)ちなみに、私が将棋駒の動かし方を覚えたのは6歳の時でした。
今回ご紹介している将棋駒の動かし方を覚える方法はどれも簡単なものばかり。将棋教室の先生はもちろんのこと、将棋のルール・将棋駒の動かし方をほとんど知らないというママたちでもすぐに取り入れることができますよ(^ ^)
1.早見表を横に置く
早見表とは、将棋駒の動かし方が一覧になったものです。
将棋駒の動かし方をまだ覚えていない子どもが、将棋駒の動かし方のルールに沿って駒を動かすためには、いわゆる入門駒と呼ばれる駒の動かし方が記された駒を使用するのが1番楽ではありますが、入門駒だと、本当に子どもたちが将棋駒の動かし方を覚えたのかどうかちょっと分かりにくいですよね。
もちろん、生まれて初めて将棋を指すということであれば、入門駒でも問題ないのですが、ある程度「将棋駒を動かす」ということに子どもたちが慣れてくると、動かし方の書いていない将棋駒にシフトすることをおすすめします。
なぜなら、子どもたちが「もっと将棋をしたい!」となったとき、将棋教室に通ったり、子ども将棋大会に参加したりすると、そこで使用されているのは、動かし方の書かれていない将棋駒だからです。将棋駒の選び方についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。
ですので、慣れない将棋駒に最初は手こずるかも知れませんが、動き方を忘れた時だけ早見表を見るという方法にした方が、動かし方が書かれた将棋駒を使い続けるよりも、「この駒はどんな動きだったかな」と、子どもたちが、「考える」ことをする機会も多くなりますよね(^ ^)
2.別のものに例えてみる
きのことフライパン。これは私が子ども将棋教室で金の動きを説明する時によく使うたとえです。ちなみに金は、自分の上下左右と、斜め右上、斜め左上に一マスづつ動くことができます(^ ^)
こんな風に、将棋駒の動かし方を子どもたちが知っているものにたとえてあげることで、「金はきのこだから・・・・」というように、駒の動かし方を、思い出しやすくなります。
ちなみに、私が物語を考えた将棋の絵本「しょうぎの くにの だいぼうけん 」では、それぞれの将棋駒をキャラクターにしています。「かっくん(角のキャラクター)は斜めのビーム」「ケイマー(桂馬のキャラクター)は何に乗ってた?」と聞くと、子どもたちが将棋駒の動かし方を思い出してくれることもあります( ´∀`)
3.利いているマスにおはじきを置く
これは、私が小さい頃にしていたものです。別におはじきである必要はないのですが、重要なのは、実際に盤の上に将棋駒をおいてみて、その将棋駒が効いているところに、ものを置いてみるということです。そうすることで、目にはみえていない将棋駒の動きを理解することができます。これは将棋駒の利きを理解する次のステップでも役にたちます。
また、実際の将棋盤を使用することで、9×9の盤面に慣れることができます。実は、早見表などで落とし穴となりやすいのが、省スペースなどの関係で、駒の動かし方の説明が3×3もしくは5×5の将棋盤になっていることが多いという点です。これだと子どもたちが、将棋の駒は3×3や5×5の範囲内でしか動けないと認識してしまっても仕方ないですよね。特に将棋駒の中でも角の斜めの利きは、将棋をはじめたばかりの子どもたちには難しく、将棋盤の盤面が広くなるとずれたラインに駒を動かしがちです。日頃から、実際の将棋盤の上で将棋駒の利きを確認するという練習をしておけば、広い将棋盤になっても、正しく対応することができます。
4.将棋盤迷路
これも、父が幼い私によくやってくれた将棋駒の動かし方を覚える方法です(^ ^)
まずは9×9の将棋盤の任意の場所にゴールを作って、(ゴールは将棋駒を立ててあげたり、子どもが好きなマスコットをおいてあげるといいと思います。)、子どもたちは将棋駒の動かし方のルールに沿って将棋駒を動かしてもらいながら、ゴールを目指すというものです。
こちらは、単に反復練習で将棋駒の動かし方を覚えるのではなく、「覚える」という行為に「ゴールを目指す=達成する」という要素をプラスすることで、子どもたちはモチベーションを持って、将棋駒の動かし方の練習にトライすることができます。
ちなみに、私がお父さんとこの練習をしていた時は相手陣地(七〜九段目)に入ると、駒が成る(裏返ってパワーワップする)というルールも取り入れていました( ´ ▽ ` )ノ
ただ、1点気をつけないといけないのは、子どもたちが桂の駒を動かしている場合に限り、任意に設定したゴールにたどり着かせるのが難しくなる可能性があります。なので、桂馬を使ってゴールを目指してもらう時は、予めママたちがシミュレーションしておくといいですね(^ ^)
5.将棋パズルを解く
こちらはいつつHPでもおなじみですよね(^ ^)
3×3のマス目が二つあって、左側の将棋駒を将棋駒の動かし方のルールに従って動かしていきながら、右側と同じ将棋駒の配置を目指すというものです。詳しい遊び方はこちらの記事をどうぞ。
将棋駒の動かし方に限った話ではないのですが、例えば、定跡や棋譜並べ、実践など、ありとあらゆる将棋の練習において1番大切なのは「楽しむ」ということだと思っています( ´ ▽ ` )ノ
将棋パズルは、将棋駒の動かし方を覚えることが、子どもたちにとって楽しくなるようにという思いを込めて、いつつが毎日1題ずつ無料でご提供しているものです。書籍化もされているので、ご興味あればぜひご覧になってください( ^∀^)
さて本日は、今回は、小さな子どもたちが将棋駒の動かし方を覚えるためにできるサポートについてお話させていただきましたがいかがでしたでしょうか。
冒頭でもお話したように、確かに「将棋駒の動かし方を覚える」というのは、まだ漢字を習っていない小さな子どもたちにとってちょっとしたハードルになるのかもしれません。しかし、将棋駒の動かし方がなかなか覚えられないという理由で将棋をやめてしまうのは非常にもったいないように思います。なぜなら、将棋駒の動かし方の先に、本当に楽しい将棋の世界が待っているからです(^ ^)
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