子どもたちの才能を開花させるには、「褒めて伸ばす」ということが、時には大切になると思うのですが、将棋もまた同じです(^ ^)(ちなみに私も褒められて伸びるタイプです、笑)
しかし、将棋で褒めるとなると、白黒はっきりつく競技だけあって、どうしても「勝った」「負けた」の結果にだけ目がいってしまいがちですよね。過去のいつつブログでもお話したことがあるのですが、将棋を始めたばかりの初心者の子どもたちにとっては、実は勝敗がつくまで将棋を指し続けるということ自体がひと苦労なお話。ですので、対局の白黒だけで判断されてしまっては、将棋初心者の子どもたちはなかなか将棋で褒めてもらえる機会を得ることができません。
そこで今回のいつつブログでは、将棋をはじめたばかりの初心者(駒の動かし方や基本的なルールをマスターして対局ができるようになった)の子どもたちの、勝敗以外の褒めポイントについて紹介したいと思います。
肝心なのは、対局の結果ではなく1局の過程に着目すること。将棋の対局はたった1局といえども、序盤・中盤・終盤と3つの状況があり、子どもたちにとっては非常に長いものになります。要所要所で小さな目標を立ててそれがクリアできたら、ちゃんと「よくできたね(^ ^)」「がんばったね( ´ ▽ ` )ノ」と子どもたちを褒めてあげるようにしましょう。
1.駒をきれいに並べられたね
子ども用に製作された少し大き目の駒はともかく、一般的に使用される将棋の駒の、特に歩なんかは、大人でも(特に私のように不器用な人には(^_^;))とっても扱いにくいです。ですので、子どもたちが、その小さな駒をちゃんとマス目の中に入れて綺麗に並べているということは、それだけ子どもたちが日頃から駒を使ってちゃんと練習している証です。将棋盤のマス目の中に駒をちゃんと並べられたら、まずは子どもたちに「駒をきれいに並べられたね」と声をかけてあげるといいと思います。
ちなみに、この「将棋盤のマス目の中に駒をちゃんと並べる」という行為は、将棋の礼儀作法的にもとてもマナーがいいと言えます。
なぜなら、将棋は、完全情報公開制のゲーム。駒の指す方向が分かりづらかったり、駒がマスとマスの境目をブリッジしていると相手にとってどの駒がどの場所にいるのか把握しにくいですが、きっちりマスの中に収まっているとそれが一目瞭然、将棋初心者といえども、とてもフェアで立派な姿勢で対局に臨んでいるといえます。
2.駒を取ることができたね
冒頭でも申し上げたように、将棋は序盤・中盤・終盤の3つの状況からなります。序盤とは、戦いに備えた準備期間のようなもので、自分の王様を守るためのお城を作ったり(将棋用語でこのお城のことを囲いといいます)、敵陣を攻めるための準備をします。
次に中盤についてですが、この状況は「いざ開戦!」という段階。自分の駒と相手の駒がぶつかり合い出します。そして、「駒を取れた」というのは、この中盤まで対局を進められたということです。将棋の目的は駒を集めることではなく、あくまで相手の玉を詰ますことではあるのですが、たくさんの駒を取った方が有利に対局を進められるのも事実です。子どもたちが相手の駒を取れたら「よく駒を取れたね」と言ってあげましょう。
ちなみに、この「よく駒を取れたね」は「歩が取れたね」と「歩以外の駒が取れたね」の2段階に分けてあげてもいいかと思います。なぜなら、歩は数が多い上に、最前線にいるので、将棋初心者の子どもたちでも比較的取りやすく、歩以外の駒は、基本的に歩の壁を突破しないと取れないので、同じ「取る」でも難易度が異なるからです。
3.成れたね
将棋用語で「成る」とは、自分の駒が敵陣(先手側なら六段〜九段、後手側なら一段〜三段)に侵入した時に、裏返ってパワーアップすることを指します。
つまり、成れたということは、敵陣まで進出できたということです。将棋に慣れてくると駒の価値が分かるようになり、抵抗なく相手と駒の交換ができるようになりますが、将棋初心者の子どもたちにとって自分の駒を相手にとられるというのはとっても嫌なこと。どんどん前に進みたい気持ちはあるのですが、自分の駒が取られてしまいそうで、なかなか勇気を持って進めません。
それを敵陣まで進むなんてアッパレです( ´ ▽ ` )
パワーアップできたことも含めて「成れるなんてスゴい!」と驚きの表情を子どもたちに見せてあげてください。
4.王手をかけることができたね
2番の「駒を取れたね」のところでは、1局の流れの序盤・中盤について説明させていただきましたが、この「王手をかける」は、最後の終盤の段階です。
駒がぶつかり出す中盤戦においては、主に相手の駒を取ることに着目しながら対局を進めていきますが、終盤になると、王手をかけたり、相手の玉を詰ますために、中盤で取ってきた駒を、どんどん盤面に投入しなくてはなりません。
そしてこの取った駒を再び盤面に投入するというのは、対局にまだ慣れていない将棋初心者の子どもたちにとって、「ほんとにここでいいのかな?」「もし間違えたところに打ったらどうしよう」と、3番で出てきた「グイグイ前に進むこと」以上に不安になってしまうことなのです。せっかくとった駒をまた取り返されちゃうと嫌ですよね。
つまり、「王手をかけることができた」「相手の玉を詰ますことができた」というのは、子どもたちがこうした不安を克服し、しかも正しい場所にちゃんと駒を打てたということです(^ ^)
5.最後まで指せたね
冒頭でも述べましたが、将棋の1局というのは、とても長いものです。なぜなら1局の中に1番〜4番にあるような色んなハードルがあり、1局を無事に終えるには、それらを乗り越えていく必要があるからです。
結果的に勝ったとしても負けたとしても、これらのハードルに最後まで向かい合ったことに、「お疲れ様でしたm(_ _)m」の意を込めて子どもたちに「よく最後まで指せたね」と笑顔で伝えてあげましょう。
さて、今回は将棋をはじめたばかりの将棋初心者の子どもたちの褒めポイントについていくつかまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
子どもたちにとって、ママやパパにたくさん褒めてもらうことは、「対局に勝つ」こと以上に、子どもたちが将棋を続けるモチベーションになりうると思います。
まだ、将棋をはじめたばかりだと、子どもたちがちゃんと将棋を好きになってくれるのか、将棋を続けてくれるのか心配になるかと思うのですが、そんな時はとりあえず、色んなところをいっぱい褒めてあげると、少しでも効果があるかもしれません(^ ^)
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