将棋を教える 2017年10月5日
子どもどうしの対局で起こりがちなトラブルとその改善策
将棋の駒の動かし方や基本的なルールさえマスターしてしまえば、年齢を問わず、誰でも対局を行うことができます。ただ、経験にもよりますが、それが子どもたちどうしだった場合、どうしても小さないざこざが起こってしまいがちですよね(^_^;)
子どもたちなりに真剣に対局に取り組んでいるが故にそうしたいざこざが起きてしまうのは、致し方ない部分もあると思うのですが、せっかく一緒に将棋をしているわけなので、楽しく指してもらいたいというのが指導者としての本音なのではないでしょうか?
そこで今回は、子どもたちどうしの対局でありがちなトラブルあるあると、私が子ども将棋教室で実践している改善策についていくつかお話ししたいと思います。
1.どっちの手番か分からなくなる問題
自分が指して相手が指して、そしたらまた自分が指して・・・。とてもシンプルな手順のはずなのですが、どうも子どもどうしの対局ではよくどちらの手番なのか分からなくなるという事件が起きます。実はうちの末っ子のシンも夏休みの子ども将棋大会で、この事件を勃発させていました、笑。 同じ将棋教室など、気心の知れた者どうしだとお互い話し合いながらどちらの手番だったのか思い出すこともあるようなのですが、将棋大会などではじめて出会ってあまり親しくない場合だと、二人とも固まってしまって、対局が一向に進まないというようなこともあります。
このような現象には主に2つの原因があります。1つは対局者のうち片方が長考で、う〜んと考え込んでいる時にもう片方が、隣の対局に気を取られてしまい、いつの間にか自分の手番を忘れてしまうパターン。そしてもう一つが、片方もしくは両方が早指しだった場合に、ぽんぽん指しているうちにどちらの手番だったのか分からなくなってしまうパターンです。
このような事態を未然に防ぐために、私は子どもたちに「指し終わった後は手はお膝」という言葉を繰り返し子どもたちに伝えるようにしています。早指しや長考自体は、将棋において決して悪いことではないのですが、子どもたちの場合はどうしても指した後に、手を引っ込めずそのまま盤面をウロウロさせていることが多いのでそのうちどちらの指し手だったのか分からなくなってしまうようです。1度指したら、手は盤面から離れた位置に待機させるということを徹底しておけば、今自分が駒を動かすべきなのかどうか判断できますよね。
また、ここまで対策をしていてもどっちの手番か子どもたちで判断がつかなくなってしまった場合は、私は子どもたちに最後の指し手を聞くようにしています。初心者どうしだと、対局の流れ全てをきっちり覚えているということはないのですが、それでも自分が指した最後の手はちゃんと覚えているものです。指し手の狙いさえわかれば、次がどちらの手番なのか概ねわかります(^^)。
2.対局拒否問題
子どもたちが対局拒否をするとき、それは相手が自分より強いと分かっているときや相手に対して苦手意識があるときです。よく私の将棋教室でも、「このあいだ対戦したばかり!」と言ってみたり、自分より弱い子を相手に指名したりということがあります。
子どもどうしで苦手意識が生まれないように、将棋教室で手合いをつけるときはできるだけ、同じ子と当たらないように配慮しますが、棋力を上げるうえでは、自分より強い子との対局を避けて通る訳にはいきませんよね。
そこで、「このあいだ対戦したばかり!」と言われないために、証拠として手合いの記録は手合い表にきっちり残しておくようにしています。「ほら!前回の対局、2ヶ月も前だよ」といった感じで証拠を出すようにします、笑。
ただ、ここで、直近でやってないからという理由だけで無理やり対局をさせてしまうと、子どもたちはますます対局を嫌がってしまいます。なので、「2ヶ月も経ってるから今度は勝てるかもしれないよ」とちゃんとフォローを入れるようにしましょう。
また、対局の勝敗だけではなく、こなした対局の数を褒めるポイントにしてあげることも有効です。「○○ちゃん、今日対局カード2枚も消化したよ。頑張ったね(^^)」といった具合で、子どもたちに対局すること自体がいいことなんだと思ってもらえるとOKなんだと思います。
実際、最初のうちは負けが続いていても、対局をこなすうちに勝ち星がついてくるので、対局数をこなすということは子どもたちにとってとてもいいことなのです。
3.駒が乱れる問題
「駒のみだれは心のみだれ」。小さな子どもたちにはまだ難しい言葉のようですが、意外にも、小学生くらいになると、ゴロがいいからかすんなり理解してくれます。つい先日も、子ども将棋教室に通っているとあるお子さんに、この話をしたのですが、「そういえば学校の先生も『机のみだれは心のみだれ」って言ってたよ( ´ ▽ ` )ノ」と綺麗に駒を並べてくれました。
もし、まだ子どもの年齢が幼い場合は(幼稚園くらい)、私が子どもたちの対局をマメにのぞきに行って、もし駒が色んな方向を向いていたり、線をまたいでいたり、駒台の上がぐちゃぐちゃだったりすると、きっちり盤の枠の中に入れてあげたり、駒台の上にある駒を扇形に並べてあげたりするようにします。
子どもは大人の真似をしたがるもの。駒をしきりになおしに来る私の姿を見て、すぐに・・・、とはいきませんが、そのうち「将棋の駒は綺麗に並べるもの」という風に認識してくれます。NHKの将棋番組でプロ棋士の将棋をみることができますが、そういったお手本をみてもらうのも一つの方法かもしれませんね。
また、子どもの駒ではなく、姿勢を正してあげるというのも1つの方法です。ただでさえ座高の低い小さなお子さんにとって、1番の死角となるのが手元の駒です。敵陣に向かって一生懸命指しているうちに、手や服の袖口が当たって駒の配置が乱れてしまうのも仕方ありません。
そこで、子どもたちの背筋がすっと伸びるように姿勢を正してあげましょう。背筋が伸びたことで、ほんの少しですが高い位置から将棋盤を見下ろせるようになるので、見えなかった手元の駒も見えるようになり、対局中の駒の乱れを防ぐことができます。
4.手を離した・離していない問題
これは大人でもよく起こる問題です。特に子どもの場合だと、相手の駒が取れると思った瞬間、すぐにでも取ってしまいたいという心理が働くようで、相手の子の手がちゃんと駒から離れるのを確認する前に駒を取りに行ってしまいます。1番でも出た「指し終わった後は手はお膝」を口すっぱく言ってはいるのですが、なかなか難しいようですね(^_^;)。駒をとられた方も、「あ、この手だとこの駒がとられる!」と思うと、手を引っ込めてしまいます。手を離してしまっても、やりなおしたくなってしまいます。将棋をある程度指して方ならご経験もあるかもしれませんが、指した瞬間に「あ!悪い手だった!」と気がつくことがあります。なんとも嫌な瞬間です^^;。
①相手の手が離れて「手はお膝」になってから指す。
②自分の指し手は指す前によく確認。
③駒を触ったらもうやり直さない。「待ったはしない。」
を意識するように伝えます。これは何度も繰り返し伝えるしかありませんね。
「手を離した離してない問題」をお互い納得できる形での解決はなかなかできません。そしてなんだか楽しくない気分にもなります。なのでこの問題がおこってしまったときに、その場でキチンと伝えたいものです。揉めて勝ったとしても、勝つ方も負ける方もいい気分ではないということを理解してもらうようにしています。
また「待った」を何度もしてしまう子どもの中には、「待った」ができる機能のアプリやコンピューターで指している経験がある子がいます。「待った」はしてはいけないことを教えてあげるしかありません。
あと、本筋とずれるかもしれませんが、チェスクロックを使う手もあります。「指したらチェスクロックを押す」という流れなので、指し手は戻そうとしても、チェスクロックの時間は戻せませんからね。
5.対局終わらない問題
これは子ども同士というより、初心者どうしの対局で起こりがちなのですが、どの駒を動かしていいのか分からずお互いに長考してしまったり、玉を取りに行かず、相手の駒を取ることばかりに集中してしまったりと原因は様々です。
なので、私の場合は、初心者のお子さんをいきなり他の子(特に初心者)と対戦させるのではなく、ある程度指せるようになるまでは、講師との指導対局から入るようにしています。そうすれば、普通に勝ったりあえて負けたりなど、対局をコントロールできますし、途中でアドバイスもできます。駒を取ることに意識がいっている子に「ここは王様にむかって駒を動かして。」などなど。なので、対局が終わらないということはありません。
また、お友達同士の対局であればどうしても「負けたくない」という気持ちが働いてしまいます。そうなると、やはり失敗できないという思いから、1手1手長考してしまったり、もしくは対局自体がプレッシャーになってしまうということもありえます。その点、相手が講師や先生であれば、いい意味で「負けても大丈夫」と思えるので、思い切り胸を借りて将棋を楽しむことができますよね(^^)
さて今回のいつつブログでは、子ども同士の対局あるあるを取り上げてみました。私なりの改善策についてお話しさせていただきましたがいかがでしたでしょうか?もしこんな解決方法もありますよ、というご意見があればお待ちしています(参考にしたいです^^。)。
トラブルの中には仕方がないことや、気持ちはよく分かるけど・・・といったこともあるのですが、せっかく楽しい将棋なので、お互いに嫌な思いをしたり、なんだかモヤモヤするよりも、気持ちよく指せるといいですよね。
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