将棋を教える 2023年10月29日
詰将棋の効果について
1. 駒を頭の中で動かすことを学ぶ
今回は、詰将棋の効果についてです。
詰将棋の効果は、詰み形を知ることで勝てるようになるほか、駒を頭の中で動かすことを学べる点です。
皆さんが知っている通り、将棋では実際に駒を動かしてしまうと戻すことができません。しかし頭の中での「待った」は何度もできます。先を読んで数手進めた後、「あ、やっぱりこれはだめだ」と戻り、最初の局面に戻ってもOKです。詰将棋を解きながら頭の中で駒を動かせると、実戦でもどんどん手を読めるようになっていきます。
たとえ手数の長い詰将棋でも、将棋盤の駒を実際に動かしながら解くのはあまりお勧めしません。将棋盤に駒を並べて問題を作り、それを眺めるだけなら良いのですが、駒を持って動かせると、頭の中で動かす訓練ができなくなってしまいます。
2. 同じ問題を何度も解く
詰将棋を解くのに大切なことは書き込まないことです。書き込んでしまうと一度きりで終わってしまいますからね。
いつつ教室では、授業が始まる前に、時間を測って一斉に詰将棋を解きます。これはまさに「見た瞬間答えがわかる」ようになるための練習です。これだと答えを覚えているだけで「自分の頭を使って考えていないのでダメなのでは?」と思われるかもしれませんが、これで大丈夫です。「詰みの形」のパターンがたくさんあれば実戦でそれを応用することができます。子どもは頭が柔らかいと言います。どんどんと覚えてしまって問題ありません。
測って解いている間は集中力が身につく上、解けるまでの時間が短くなるとうれしくなり、モチベーションも上がります!
オンライン講座も詰将棋を3分間「よーいどん!」で皆で解きます。そして一人一人にどこまで進むことができたのかを確認しています。
ちなみに次のステップに進む目安として「ほんとうにはじめてのつめしょうぎ」は3分で最後まで解けるようになると次は「子ども詰将棋1手詰」に進みます。
3. 逆さから解く練習
何周も解いたら、本を逆さにして、今度は「玉側」からどうやって詰まされるかを考えてもらいます。
これがけっこう難しいのです。自分の玉が詰まされるという、ちょっと「ネガディブな感情」が問題を解きにくくさせます。しかしこれが実戦に向けた良い練習になるのです。実戦では、自分の王様が詰むか詰まないか、しっかり読み切らないといけない局面は多く出てきますからね。
本を逆さに解くことで、問題数も倍になります!
4. 一番嫌な手を考える
詰将棋から少し話がそれますが、相手が自分にとって「一番嫌だな」という手を指してくる、という考え方ができるかどうかは、初級者の子どもたちにとって一つのハードルです。
数手先を読めるようになったばかりの子は、「こう指したら相手がこう指して、そしたらこう指して、ほら、理想的なてんかーい♪」と、自分に都合よく、「ポジティブ」に考えてしまいがちです。
一方、実戦では相手も勝ちたいから、こちらの一番嫌な手を指してきます。その手に対し、私にはこういう対策がある、と考えることができれば、実際相手が一番ではなく、二番目に嫌な手を指してきたら、局面を優位に進めることができます。玉側から詰将棋を解くのは、そういう意味でネガティブな感情を踏まえながら、相手に打ち勝つ力をつけてくれるのです。
5. 詰将棋が好きな子・苦手な子
詰将棋は、教室でも好きな子と苦手な子と分かれます。好きな子には、タイムトライアルだけでなく、長手数をじっくり取り組む方法も紹介します。たとえば図面用紙に詰将棋の問題を書いておけば、どこにでも持ち歩いて考えることができます。
また対局の時間で、次の手合いがつくまでの間、詰将棋プリントを渡すと、嬉しそうにどんどん解く子もいます。
プロ棋士の斎藤慎太郎八段は、詰将棋を「好きを通り越して愛している」というほどの詰将棋愛好家として有名です。その境地に達するのはなかなか難しいことですが、詰将棋が実戦の腕を上げることは間違いなく、ぜひ取り組んでもらいたいと思います。
将棋を始めたばかりのお子さん、将棋好きの方にオススメの将棋グッズを多数取り扱ういつつのオンラインショップ神戸の将棋屋さんいつつもぜひご覧ください。
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