将棋を楽しむ 2016年8月23日
ライオンにキリン!?子ども心をくすぐる中将棋の愉快な駒5つ
いつつブログでは先日、将棋の駒(水無瀬駒)により地域活性化事業を行う町、大阪府三島郡島本町や町で開催される子ども向け将棋教室(中将棋教室)の紹介をさせていただきました。
取材の際に、「中将棋のルールブック」なるものをいただき、会社に戻ってから一読してみたのですが、、、、
「なんじゃこりゃ〜」というような面白い駒がたくさんありました(^ ^)
前回のブログでも触れたのですが、中将棋の駒は全部で21種類(玉将と王将を別と見なせば22種類)。もちろんその中には、玉や金、銀といった本将棋でおなじみの駒も7種類あるのですが、残り14種類は
本将棋にはないものです。
ここで、本将棋に慣れ親しんだ方の中には「あれっ?本将棋の駒は8種類だろ!」と思われた方いるんじゃないでしょうか?
鋭いですね(^_^;)
実は、本将棋にあって、中将棋にはない駒がひとつだけあります。さて何でしょうか?
正解は……
「桂馬」です!!
中将棋は大将棋から派生したものと言われていますが、大将棋には桂馬があるのに、なぜ中将棋ではチョイスされなかったんでしょうか?そしていつ間に復活したのでしょうか?
ユニークな動きに加えて神出鬼没な。「桂馬」という駒は本当に面白いですね(^ ^)
さてさて、話が少し逸れましたが、上記にもあるように中将棋には本将棋にはないユニークな駒がいっぱいあります。
そこで今回のいつつブログでは、中将棋の駒の中からいかにも子ども心をくすぐりそうな、そして大人でもワクワクしちゃいそうなカッコイイ駒を5種類をチョイスして、その動きなどについてルールブックを参考に触れてみたいと思います。
1.猛豹(もうひょう)2枚
なんと昔指されていた将棋には「豹」もいたんです。豹といえば、日本というよりアフリカとかを思い浮かべるのですが、なんとも異国情緒溢れます、笑
動きとしては、真横以外に1マス動くことができます。真後ろにも動かすことができる銀将と覚えるといいかもしれません。
この猛豹ですが、成ると本将棋にもあるあの駒に成ります。なんだと思いますか?ヒントは「横に動けない特徴は変わらない」です。
答えは「角行」です。中将棋の盤面は12段×12筋=144マスから構成されていて、1マスずつ動かしていては日が暮れてしまいます。なので大きく動ける駒はそれだけ重要なんですね(^ ^)
しかし、残念なことに初期配置は最下段の両端近く。
不遇にも成れること自体が少ないとは思うのですが…。
2.鳳凰(ほうおう)1枚
ここで伝説の鳥の登場です。
なんでも伝説なので、鳳凰と言われてパッとその姿を思い浮かべるのは難しいとは思いますが、鳳凰は1万円札に描かれています。手元にあればぜひ一度見てみてください(^ ^)
さて、鳳凰の動きはいかなるものかと言いますと、前後左右1マスか、斜め全方向の2マス先か、計8箇所に動かすことが可能です。斜めに動かす時は、駒を飛び越えることができます(相手の駒があっても、取ることはできません)。
また、鳳凰は1枚しかなく、対になっているのは麒麟(きりん)です。麒麟は鳳凰が動けない斜め1マスか、前後左右2マス先の8箇所に動かすことができます。2匹の幻獣(獣ではないかもしれませんが)が相互補完をしていますね。セットで覚えてしまいましょう。
ちなみに、鳳凰が成ると奔王になります(麒麟は獅子)。これらについては後ほど説明していきます。
3.龍王(りゅうおう)2枚
「本将棋にもいるじゃん」と思われた方もいると思います。動き方も本将棋と同じです。
しかし、なぜか中将棋にはこの龍王が初期配置から2つも存在している点(龍馬もです)や中将棋の龍王は敵陣に入ることで龍王からさらに成ることができる点で本将棋の龍王とは異なります。
では龍王が成ると何になるでしょうか?
答えは、飛鷲(ひじゅう)です。
龍から鷲なので、一見弱くなってしまったようなのですが、縦横・斜め後方に何マスでも動くことができるほか、前方斜めにも、2マス先に飛ぶ・あるいは1マス前に行った後、元の位置に戻る・もう1マス前(合計で2マス先に行く)ことができるという、とても柔軟で、かつ終盤戦に非常に強い動きになります。(とってもややこしいですよね(^_^;))
中将棋には「じっと」という将棋用語があります。飛鷲のように、1マス動いた後に元の位置に戻ることができる動きは、まるで1回「パス」をしたような形になります。
4.奔王(ほんおう・ほんのう)
もはや「奔放な王様なのかな?」というような想像しかできない駒ですが、「奔放」と聞いて皆さんはどのような動きを想像しますか?
奔王の動きは、チェスで言うとクイーン、本将棋で言うと飛車と角行を足した動き、すなわち8方向に何マスでも動けます。
駒が減ってくる中・終盤に強みを発揮するというシンプルかつ強力な駒です。初期配置も陣地の真ん中に近いので、前方の歩を突き捨てておいて、その威力を発揮できるように整備してあげたいところですね。
この駒は成ることができません。中将棋では金将も成れる(しかも成ると飛車になります)ので、成れない駒は王将玉将以外には、奔王とこれから紹介する獅子だけです。
5.獅子(しし)
さて、いよいよラストですが、取り上げるのは「獅子」です。序盤・中盤に絶大な強さを誇る、「中将棋の花形(『中将棋ルールブック』より)」です。
その動かし方は複雑で、3通りの動かし方ができます。
1.王将・玉将と同じように、周囲に1マス動かすことができます。
2.周囲1マス (8マス)を飛び越えて、2マス先の周囲(16マス)に動かすことができます。
3.周囲1マスに動く動きを2回行うことができます。その際、相手の駒がある場所に2回動くと、2駒を取ることができます。1回動かした後、元の位置に戻ることもできます。
花形だけあって、獅子をめぐる特殊ルールだけで、あと5種類(「獅子の足」、「ウラ足・影足」、「獅子の付け食い」など)があります。面白い名前が付けられていますね。ここにその詳細を記載すると、それだけで記事が終わってしまうくらいの分量があるので詳しくは調べてみてください。
もし中将棋をやるとしたら、絶対に使ってみたい駒ですよね(^ ^)
以上、中将棋の中でも特にカッコイイ駒を紹介してきました(個人的に)、笑
このほかにも、白駒(はくく・はっく)・鯨鯢(げいけい)・飛牛(ひぎゅう)・奔猪(ほんちょ)などの成駒もあり、まだまだ楽しそうな、動きの読めない駒でいっぱいです。興味を持たれた方は、是非本将棋にとどまらず、中将棋も楽しんでみてください( ´ ▽ ` )
参考:中将棋ルールブック
将棋駒1枚1枚に愛着を持つと、駒の動かし方や将棋の価値、駒の特徴などを身に付けることができ将棋上達につながります٩( ‘ω’ )و
将棋の絵本「しょうぎの くにの だいぼうけん」では、8種類の将棋の駒が、それぞれ個性豊かなキャラクターになって大冒険を繰り広げます( ´∀`)
他にもいつつブログでは、将棋にまつわる面白い話をたくさん紹介しています。ご興味あれば、ぜひ一度読んでみてください(^ ^)
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